定例記者会見(2017年1月25日)結果概要

掲載日:2017年1月27日

発表事項

発表します!女性が作った優れた商品

 はじめに、発表します!女性が作った優れた商品についてです。
 県では、女性が開発に貢献した商品を神奈川なでしこブランドとしまして、商品化に向けた女性のアイデアをなでしこの芽などとしまして認定する事業を、平成25年度から実施しています。
 このたび、第4回にあたる神奈川なでしこブランド2017の認定商品20件と、アイデア2件を決定いたしましたので、お知らせいたします。
 認定した商品やアイデアは、記者発表資料のとおりですが、いくつかご紹介したいと思います。別紙1をご覧いただきたいと思います。
 まず1つ目は、1ページ、ナンバー2「キャベツがもっと食べたくなるドレッシングシリーズ」であります。これは加工倶楽部かながわが開発したものであります。
 この商品は、横浜のキャベツ農家のお母さん6人が、ゴマや玉ねぎなどの地元で取れる農産物と無添加にこだわって、子どもたちが安心して食べられるように、開発したドレッシングであります。
 次に、2ページ、ナンバー8の「ウロバッグキャリーカバー」であります。これは、クリエートメディック株式会社が開発したものであります。
 この商品は、ベッドから起きられず、トイレに行けない入院患者さんなどがカテーテルを膀胱に入れて尿を排出するときに、尿を溜めておくための袋を、他人に見られないようにするためのカバーであります。
 患者さんにとって、見られることが心理的負担になるものを、おしゃれに隠すという、女性らしいアイデアが形になったものと言えると思います。
 3つ目は、3ページ、ナンバー13の「葉山女子旅きっぷ」です。これは、京浜急行電鉄株式会社が開発したものであります。
 この商品は、京急線の新逗子駅までの往復割引乗車券と逗子・葉山エリアのバスフリー乗車券、ごはん券及びおみやげ券がセットになった、きっぷであります。企画立案から、対象となる店舗の選定、ポスター、パンフレットのデザインまで全て女性社員が行いまして、三浦半島の新たな楽しみ方を発信する商品となっています。
 この商品は、昨年11月に決定しました第7回かながわ観光大賞の大賞も受賞しています。
 4つ目は、同じページ、ナンバー16の「Rukuoわたしの積立・Rukuoこども積立」です。これは、中央労働金庫が開発したものです。
 この商品は、女性職員だけで構成するプロジェクトチームが開発した、女性や子どもの将来へ向けた資金を積み立てる金融商品です。
 「わたしの積立」は、女性向けの積立預金ですが、新規契約1件につき50円を中央ろうきんが、ピンクリボン運動に寄付するほか、契約した方に花の形をした入浴剤、こういったものをプレゼントいたします。
 それから「こども積立」は、子どもの将来のために、資金を積み立てる預金ですけれども、金利を年0.1パーセント上乗せするほか、お子さんの名前を記入できる、かわいい通帳ケースをプレゼントするなど、いずれも女性らしいアイデアがあふれる商品になっています。ここにお子さんの名前を書くことができるのです。
 金融商品の開発というのは大体男性中心ということで、女性が担当したということは画期的だと思います。
 なお、2月4日土曜日の15時30分から、マークイズみなとみらいで認定式を行います。
 認定式当日には、これまで認定した商品の展示・販売も行いますので、ぜひ多くの方にお越しいただきたいと思います。
 ちなみに私が今ここにしているチーフ、これも2年前のなでしこブランドであります。

神奈川いきいき労働共同宣言

 次に、神奈川いきいき労働共同宣言です。
 長時間労働など過重な労働による過労死などが、大きな社会問題となっています。
 長時間労働を容認する社会的風潮を改めて、働き方を見直していくためには、経営者、労働者及び行政が一体となって取り組んでいく必要があります。
 そこで、資料の1の共同宣言を行う団体等に記載している、経済団体及び労働団体等に県が呼びかけて、いきいきと働くことができる社会の実現を目指すことを宣言するものです。
 次に、2の具体的な取組の概要ですが、まず、長時間労働の是正では、長時間労働を容認する社会的風潮を改めるとともに、労働条件や職場環境の改善を図ります。また、ワーク・ライフ・バランスの実現では、テレワークや短時間勤務など、多様で柔軟な働き方を推進いたします。さらに、健康マネジメントの推進では、企業が働く人の健康づくりを推進するとともに、高齢者の就業機会を確保いたします。
 なお、共同宣言は資料として添付していますので、後程ご覧いただきたいと思います。

シニア起業家の紹介ガイドブックを制作しました!

 次に、昨年から人生100歳時代の設計図というテーマで、県民との対話を進めてきたところですが、シニア起業家を応援する2つの取組みについてご紹介します。
 まず、シニア起業家の紹介ガイドブックの制作についてです。
 これは、シニア層による起業を加速させるため、既に活躍しているシニア起業家を、起業の先行事例として紹介するために制作したもので、紹介させていただいたシニア起業家への応援にもつながっていくものであります。
 皆さんのお手元にもお配りしています、この「人生100歳時代! 輝けシニア起業家」という名称で、さまざまな分野で活躍する32名の方々を、地域別に掲載しています。
 また、そのほかにシニア起業の現状や、かながわシニア起業家応援サロンの概要、起業に役立つQ&Aも掲載しています。
 具体の配布ですが、市町村関係窓口のほか、神奈川県民センターや県内各地の生涯学習センター、公共図書館などシニアの方の訪れる機会が多い施設で配布してまいります。

シニア起業家ビジネスグランプリ 受賞者決定!

 次に、シニア起業家ビジネスグランプリの受賞者決定についてです。
 これは、既にビジネスに取り組んでいるシニア起業家や、これから起業する方々を応援するため創設したもので、このたび受賞者が決定しましたので、お知らせいたします。
 このビジネスグランプリですが、昨年11月1日から12月28日までの2か月間、募集したところ、既に起業している方を対象としたベンチャー部門には27件。また、これから起業する方を対象としたプラン部門には86件。計113件もの応募がありました。
 本日、私からは、神奈川県知事賞に輝きました株式会社エスイーテックによる「動きがあった時だけ作動するセンサー・カメラの開発と事業化」をご紹介いたします。
 このスライドをご覧いただきたいと思いますけれども、このセンサー・カメラは、特定領域で動きがあったときだけカメラが作動しまして、その映像をスクリーンに映し出します。ですから、ご覧のようにたくさんのカメラで監視していても、動きがあるところだけ確認できますから、使い勝手が良くなるというわけであります。
 さらに、省エネ効果も期待できまして、データ量も抑えられるので、監視・見守りシステムとしての事業化が期待できるところです。
 また、これの活用例なのですけれども、こちらの図にあるように、便座にセンサー・カメラを組み込むことで、便を撮影して便潜血の有無などを確認していくことで、大腸がんの早期発見や、未病の改善につながっていく画像を取得していくことができます。
 開発した関根さんは、現在65歳。大手電機メーカーを退職後、自らの技術と経験を基に、会社を立ち上げたとのことであります。
 他の受賞した事業やプランも、この関根さんと同様に、培ってきた経験、ノウハウを活かしたシニアらしいものばかりです。
 なお、受賞者によるプレゼンテーションと表彰式を、2月1日にパシフィコ横浜で開催いたします。
 今後も、きょうご紹介したような取組みを積極的に進め、シニア起業家のさらなる創出を目指してまいります。

ラグビーワールドカップ2019TM決勝戦1000日前イベントを開催します!!

 次に、ラグビーワールドカップ2019決勝戦1000日前イベントについてです。
 2019年11月2日にラグビーワールドカップ2019の決勝戦が横浜国際総合競技場で開催されますが、そのちょうど1000日前となる2月5日に、ラグビーワールドカップ2019決勝戦1000日前イベントを横浜市と共同で開催いたします。
 時間は、11時から14時30分まで。場所はマークイズみなとみらいです。
 メインイベントは、ラグビー元日本代表でラグビーワールドカップに2回出場された、横浜市在住の吉田 義人さんと、女子セブンズ代表でリオデジャネイロオリンピックに出場された、横浜市出身の鈴木 彩香さんによるトークイベントです。
 このほか、ラグビーボールのキックやスロー、タックルを体験できる子ども向けのラグビー競技体験や、柔らかなラグビーボールを使って音楽に合わせて身体を動かすラグビーリトミックなど、親子で楽しんでいただける催しとなっています。
 ぜひ多くの皆様にご参加いただきまして、ラグビーの魅力とラグビーワールドカップを知っていただくことで、大会の機運を盛り上げてまいりたいと考えています。

ゼロ県債の設定

 次に、ゼロ県債の設定についてです。
 本日1月25日付けで、ゼロ県債67億余万円を設定いたしました。
 ゼロ県債とは、当該年度の支出ゼロの県費債務負担行為でありまして、翌年度予算の事業を前倒し発注することができる制度です。端境期に中小企業に対する一定の仕事量を確保し、年間事業量の平準化を図るとともに、受注した事業者は融資を円滑に受けられるようになるなど、企業活動を活性化させる効果があります。
 そこで、年度末の資金繰りの円滑化など、この対策の効果を早急に活かす必要があることから、専決処分により補正予算措置を行ったものです。
 昨年に引き続き、中小企業の方々への支援を念頭に、建設業をはじめ、塗装業、測量業など幅広い業種を対象といたしました。
 アメリカのトランプ政権の方向性がいまだ見えないことから、経済の先行きにも不透明感が漂う中で、今のうちに経済のエンジンをしっかり回していくために、過去最大の規模を設定したものであります。
 今後も、引き続き必要な経済対策を迅速に講じていくことにより、県民や中小企業の皆様の安心・安定の確保に向けて取り組んでまいります。

知事出席主要行事

 知事出席主要行事については、事前送付した資料のとおりです。

質疑

神奈川いきいき労働共同宣言について

記者: 神奈川いきいき労働共同宣言について、お尋ねします。きょうの、この場を持って発表だと思うんですが、例えば、経済団体の代表の方などと一緒に共同でアピールする場など、今後、予定されていたりはしますでしょうか。

知事: 今のところ、具体にいつ、どのような形でというのは特に考えていませんけれども、ポスター、チラシというものを作りたいなと思っています。その時に、どういう形にするかということは、これから検討していきたいと考えています。

記者: 昨年などもいろいろと問題になっていますけれども、取り急ぎ、こういった宣言を出されたと。

知事: 昨年、電通の過労自殺の問題、これは大きな社会問題になりました。やはり働き方改革ということを進めていかなければいけないということで、私も、県庁の仕事始め式におきまして、働き方改革といったものに真剣に取り組むようにということを命じたところでありました。こういったメッセージをしっかりと実現していくためにも、経済団体、労働団体、行政。これが一体となって取り組んでいくということが必要だということで、こういった共同宣言という形になったということです。

記者: 他の都道府県でも、こういうふうに一緒にやるというのはあるんですか。

労政福祉課長: いわゆる働き方とか長時間労働の是正といったような宣言はありますが、電通事件を受けた以降、こういったものがあるというのは本県が初めてと承知しております。

記者: 共同宣言を出すことによって具体的な施策にどういうふうに影響してくるのか教えてください。

知事: 具体の施策については、それぞれの企業、業界団体で取り組んでいただくことになると思います。ただ、こういったことを経済団体、労働団体、行政が一体となって大きな目標を示すということには大きな意義があると思っているところです。
 それに違反と言うと変ですけれども、そういった、趣旨と違うようなことがあるならば、従業員の皆さんから当然そういう声が上がってくるでしょうし、そういった意味で、皆さん一体となった取組みというものの成果をしっかりと、見守っていきたいと思っています。

記者: 意識付けの評価と県民はじめ、世間に対するアピールの意味もあると。

知事: そうですね。

ゼロ県債の設定について

記者: ゼロ県債の件で、過去最大規模の設定ということで、トランプ大統領の発足を受けて先行きが見通しにくくなってきたという話しがあったと思うんですけれども、知事としては神奈川県内の経済動向、今後については先行きというのはなかなか見通せない、明るくないといった認識でしょうか。

知事: いや、必ずしもそうではないです。神奈川の場合、特に、2019年ラグビーワールドカップの決勝戦もありますし、2020年東京オリンピック・パラリンピックもあります。世界中からお客様がどっと来られるという、そういう非常に恵まれた条件にあると思いますから、それに合わせて経済は基本的に、私はどんどん強くなっていくと考えています。
 だから、それに合わせてうまく経済のエンジンを回していきたいという思いで、予算編成もやっているところなのです。ですから、決して悲観論は持っていません。ただ、やはり不透明感があることは間違いない。やれることはしっかり足元から固めていこう、そういう思いがあってのことだとお考えいただきたいと思います。

津久井やまゆり園事件関連について

記者: やまゆり園の建て替え構想、基本構想の関連で、県にも情報が入っていると思いますけれども、横浜市の障害者施設団体等が、やまゆり園の入所者をグループホーム等で受け入れてもいいという意向を示されているということで、それに対する受け止めと、今後、再建の規模感にも関わってくる話だと思うんですけれども、その辺りとの兼ね合いで、知事の今のお考えをお聞かせください。

知事: 今現在、この団体から正式な申し入れを受けているわけではありません。ただ、今後、そのようなお話しがあった場合には、受け入れ体制がしっかりしたものであるかどうか、まずそれを確かめた上で、園の利用者やご家族の意向、これを丁寧に確認して、横浜市内のグループホーム等への移行の希望があるという方については、団体や横浜市とも協力して移行支援を行っていきたいと考えています。
 津久井やまゆり園には、事件後、他の施設に移られた方も含め20名程度、横浜市の利用者の方がおられます。この方々につきましては、先程も申し上げたように、ご本人やご家族の意向に応じた支援をしていきたいと考えています。また、県内には、入所施設での支援が必要な障害の重い方が、県立施設の入所を多数待機しておられる状況でもあります。津久井やまゆり園の建て替えにあっては、そうしたニーズにも対応する必要もあります。
 基本構想の策定にあたっては、そういったあらゆる事を想定しながら、皆さんにご意見もしっかり伺いながら、進め方も含めて総合的に検討していきたい、そのように考えています。

記者: 今のお話しで入所者ご本人、ご家族の意向を改めて確認したいようなくだりがあったと思うんですけども、専門家のお知恵を借りてですね、どういうやり方ができるのかも含めて検討したいというお話し以前もあったと思いますが、現状で改めて入所者ご本人から意向を確認するというご意思があるのか、もしくは、方法等について、今イメージがあれば教えていただけますか。

知事: 最初にこの話を聞かれたときに、私自身が事件直後にお伺いしたときに、入所者の皆さんに直接お目にかかった時の印象として、なかなかご本人の意向を確認するのは難しいなと感じたということで、そういう中でのことでお話しをしました。ですから、入所者のご意向というのは、恐らく家族の方が代弁してくださったのだろうということでお話しをいたしました。
 しかし、その後、いろんな方から、入所者の意向の確認の仕方もあるのだという、そういう専門家のお話しも伺っております。現時点で、私はそれがどういったものか、具体によく分からないところもあるので、そういった専門家のご意見をお伺いしながら、入所者のご意向を伺っていくという方向で検討していきたいと考えています。

記者: 時期的にはいつ頃までにとか、いつから着手されたいとか、そういうのって、今イメージありますでしょうか。

知事: できるだけ早く進めていきたいとは思います。いずれにしろ、そんなに長い時間をかけてやるべきものではないと思います。ですから、できる限り早く、そういったことを着手していきたいと思っています。

記者: 基本構想は一応3月末までにいったん固めるというお話しだと思うんですけども、意向確認等を行うのは基本構想を固めるスケジュールと絡んでくるのか、それによって、その3月末までに入所者のご意向確認して、基本構想を固めるのはもうちょっと延ばすとか、そのへんというのは如何ですか。

知事: それも含めて、総合的に検討していきたいと思っています。入所者のご意向の確認というのは、具体にどんな形なのか、どのくらいの時間がかかるものなのか、その辺りもじっくりとお話しをお伺いしながら、全体的に判断していきたいと思っています。

記者: 入所者のご意向確認は年度内までには始めたいなというようなイメージはございますか。

知事: 始められれば、始めたいです。

記者: 関連で、あしたが事件から半年になりますので、今の時点での知事の事件への受け止めといいますか、思いといいますか、まず伺わせていただければ。

知事: これは前回申し上げたこととほとんど変わりませんけれども、やはり半年が経つのだなという感じです。
 やはりあの事件以降、われわれの時間の流れが変わったなという感じがあります。原因究明、再発防止、そして再生といったことについて、全力を挙げて取り組んできたというところ、そのための時間が、あっという間に過ぎていったという感じであります。私自身の中では、やはり、あの事件の衝撃というものが、圧倒的に今も大きいです。それは、私自身が事件の直後に現場に行ったと。しかも、悲惨な事件現場といったものを、この目で見たということ。そして、入所者の皆さんにも直接お目にかかった。そんな中でもケアを続ける職員の姿というものに直接触れて、そして、非常に大きな感銘を受けたといったこと。それから、ご家族の皆さんから何とかして早く原状に戻してほしいという悲痛な思いを聞いた。職員の皆さんからは、今はもうギリギリで頑張っているけれども、もう自分たちは今限界だという中で、早く自分たちがまたいきいきと仕事ができるような現場に復帰してほしいということを生で受けたというものが圧倒的に大きいわけです。
 ですから、その直後に、ご家族の皆さん、そして職員の皆さんのご意向をまとめてくださいとお願いしたところ、全面建て替えしてほしいとのご要望が出てきたので、県としては非常に苦しい決断ではありましたけれども、やはり原状復帰が何より大事だということで、その決断をしたというところでありました。
 それから半年を経て、今になって、いろんな団体の方々、ご専門の方々からいろんな声が出てきています。それは私も十分承知しているところです。大規模施設のまま建て替えるというのは、時代の大きな流れと逆行しているのではないかというご意見が出てまいりました。
 私自身がそういう決断をしたというのは、先程から申し上げているように、事件の衝撃の大きさ、そして何とかして早く原状復帰してほしいという悲痛な思いを受けて、その決断をしたわけですけれども、それが全然違うご意見が出てきているということ、そして何か、反対のご意見を聞いていると、あたかも私が強引に、全面建て替えというものを進めているというふうな受け止められ方がされているというようなことを感じ、これは自分としては心外だと思ったわけであります。
 心外だという発言に対して、そういう声が出て、心外だから強引にまた進めるのだろうと、そう捉えているということ、そのような反応が出てくるということ自体、これまた心外であります。
 私はそうではなくて、自分のそういう思いが伝わっていないのが心外だから、もっと皆さんにしっかりお話をして、皆さんのご意見もしっかり改めてお伺いして、そして合意がうまくできるような形で話を進めていきたいということを今申し上げているということであります。
 ですから、この半年の間に、やはり事態はいろいろ変わってきたと思います。今、冷静に考えてみて、もう一回私自身も含めて、事件全体を振り返ってみる。そして、事件を振り返るだけではなくて、あのような施設というものは本来どうあるべきなのかといったことを、もう一回冷静に考え直してみるというところに今来ているのかと思いました。
 私自身がかつて拙速と言われた、拙速というのは言葉を返せば、私自身としてはスピード感が必要だといったことで進めてきたわけでありますけれども、拙速といわれれば拙速、ですからここで少しギアを緩めて、改めて皆さんのご意見をしっかりお伺いして、そして入所者のご意向を確認せよということでありますから、それも確認する方向で、もう一回ゆっくりと、しっかりと議論して、皆さんが納得できる形で着地点を探していきたい、それが今の心境であります。

記者: 今のお話だとやっぱり、3月末までに基本構想を固めるのは難しそうだなという感じがひしひしと伝わってくるんですけれども、いかがでしょうか。

知事: 一応3月末ということをお約束していますから、基本的にはそれを目指してまいりますけれども、それも含めて総合的に検討していきたいと、そのように考えています。

記者: 今のご発言にありました、本来あのような施設がどうあるべきかを考え直す時期に来ているという事ですけれども、今の時点で、知事としてあのようなやまゆり園のような施設はどうあるべきだというお考えになられているか、それを確認させていただきたいと思います。

知事: あの事件ということから考えると早く原状復帰と私は思ったわけでありますけれども、それを置いておいて、そもそもこれからの新しい時代に向けての施設のあり方というのがどうあるべきなのかということは、今のところは、私自身がこう考えるというよりも、皆さんのご意見をしっかりとお伺いしながら、やはり改めて考えていきたいと思っております。
 だから、地域にもっと開かれた形でということ、これはとっても大事なことだと思っております。では、あのような施設はまったく要らないのか、県立のあのような施設はまったく要らないのか、ということも含めて、いろんな形でご意見をお伺いしながら、では、どういうふうにあの事件を活かして、そして目指すは、ともに生きる社会かながわ憲章といったものの精神が活きるようなあり方はどうあるべきなのかということを検討していきたい、そのように考えているところです。

記者: 今回、やまゆり園で、いろんなヒアリング等で出ている意見というのは、施設、やまゆり園の建て替えそのものだけじゃなくて、県として、地域移行についてどのようにお考えになられるのかということが問われている部分があると思うんですけれども、それについては、どういうふうにお考えですか。

知事: 要するに、あのような施設を中心とした介護から、地域にもっと開かれた形へという大きな基本的な流れ、それはもともとわれわれも意識して、十分そのように政策をとってきたと思っています。
 その中で、前からある、あのような施設の中では、今回建て替えていくという最初の基本的な構想の中でも、できる限り開かれた形で、地域の皆さんが入って来られる。そこに高い塀があるわけではなくて、皆さんが交流できるような、そんな施設にしていこうかと思っているところでありますけれども、それに対してもご意見があるのだとしたら、しっかりと、そういうご意見をお伺いしながら、では施設は全然要らないのか。要るとしたら、何人規模のものが良いのか。それはどこにあったら良いのか。それを運営するのは誰が、どのようにすれば良いのかといった辺りを、総合的に皆さんとアイデアを出していただいて、考えていきたいと基本的には思っています。

記者: その辺りというのは、基本構想の中にも含まれるという、評価の文言とかですね、基本構想の考え方の中には、含まれてくるものなんでしょうか。

知事: それも含めて検討していきたいと思っています。

記者: 先程、幹事社からもお話がありましたけれども、いろいろと今のお話なんかも含めると、3月末というのが必ずしもこだわるところではないというふうにも聞こえるんですが、そういう理解でよろしいですか。

知事: ですから、それも含めて総合的に検討していきたい、そのように考えております。

記者: 今のお話で、おそらく、じっくりといろんな意見を聞いて考えるということだと思うんですけれども、そうすると一方で、スケジュールが遅れるという、いろんな影響が考えられると思うんですけれども、今、描いているスケジュールが遅れることによる影響について、どのようにお考えでしょうか。予算編成の時期でもありますけれども、それも含めて、どのようにお考えですか。

知事: 皆さんの意見を総合的に全部見たときに、どのような形が、姿が浮かび上がるかということです。ですから、先程申し上げたように、私自身が、最初にばっと動いたのは、被害を受けた当事者の声、これを受けて早くしなければいけないという気持ちで動いてきました。ただ、そのスピード感できたのですけれども、もっと、根本的な問題が投げかけられたときには、そのスピード感よりも、もっとじっくり話し合って考えるべきだろうという、この方向性というのは、どのように折り合いをつけていくのかということです。これも、含めて議論していきたいということです。
 ですから、今まで全面建て替えだ、いつやって、これでやるのだと言ってきた。一回言ったから、絶対もう、そのとおりやるのだということではなくて、それを含めて、いろいろ考えていきましょうと。やはり、早くやってほしいという方の声はあるわけですから。
 そういう声を受けて、どうしたらいいでしょうか、もっと早く結論が出せるのでしょうか、もっと時間がかかるのでしょうか、ということも含めて、やはり総合的に判断していきたいと考えております。

記者: あくまでも、去年の夏に示した、全面建て替え、その方針というのは、そのままで、そのうえでの考えということでしょうか。

知事: それは基本的に、全面建て替えという方針は出してはおりますけれども、それはそれとしながら、全面的にいろんな意見をお伺いしながら、総合的に考えていきたいと思っております。

記者: 全面建て替えという方針も見直す可能性があるというふうに受け止めているのですけれども。

知事: 今の段階では、そこまでは言えないですけれども。

記者: 入所施設がどうあるべきか、いろいろな意見を伺いながらとのお話があるかと思うんですけれども、具体的に何か、どういう場で、どういうプロセスで意見をもらっていくのか、どういうイメージなんでしょうか。

知事: どの場でやるかということ、これも含めて、今検討しているところです。どういうメンバーで、どのようなところで、どんな形で議論するのが、一番ふさわしいのかということも、今検討している最中です。

記者: 意向調査というのは、どの程度時間をかけるべきなのかということも含めて検討が必要だと思うんですけども、詳細設計に入るのにある程度の規模感というのは出さなければいけないと思うんですけども、その規模が3月末に出てくるものなのか、それとも3月末で決まるか決まらないかも含めて検討されていることなのか、教えていただけますか。

知事: 基本的には3月末ということでやっているわけですから、それを今ここで見直しますということは言っていませんけれども、先程申し上げたように早くやってほしいと思っていらっしゃる方の声もあるわけです。
 今そういう声があまり表に出てきていませんけれども、もともとそういう声がベースにあったわけです。当事者ですから、その方たちは。今ちょうど当事者の声が聞こえてきていない状況ですから、このように、いろんな見え方になっていると思いますけれども、当事者の声ももう一回、しっかり皆の前でお伺いしたうえで、いろんなご専門の方々の声をお伺いしながら、では、規模感からスケジュール感からそれも含めて検討していきたいと考えております。

記者: 3月末には、その段階の規模を出すということという理解で。

知事: 同じことの繰り返しになりますけど、その3月末といった期限を今この時点で変えますとは言わないですけれども、それも含めて総合的に検討していきたいと言っているのです。

記者: 先程の規模感のところなのですけれども、地域移行が進んでいった場合に、やまゆりの利用者がすごく減ってしまったと、その場合どれくらいの人数の方が利用されていると運営というのは可能になるというふうにお考えでしょうか。

知事: それも含めて検討していきたいと思っております。先程申し上げたように、他の施設でグループホームに受け入れてあげたいという声が出てきたと。それは非常にありがたい話だと思います。その方が本当に行けるのかどうか。利用者の方が本当に行きたいお気持ちがあるのかどうか。ちゃんと確認した上で行っていただいたりすると、今被害にあわれた方の利用者数は減ってくるかもしれないです。
 ただ、先程も申し上げましたとおり、今の施設に入りたいと思って待機していらっしゃる方もいらっしゃいますから、そういうことも含めて総合的に考えていかなければいけないです。総合的に見ていく中で、では何人規模の施設がいいのかといったこと、どんな形が良いとかいったことは出てくるのではないでしょうか。

記者: 予算の関係になってくるとは思うんですが、当初のスケジュールですと新年度に基本設計、実施設計の予算計上するスケジュールになっていたと思うんですけども、今のお話ですと、規模感が出るかどうか分からないけれども、予算をこのまま計上することになるのか、計上するとしたらどのくらいの幅を持たせるといいますか、本来であればある程度こう希望が見えた形で金額というのは決まってくると思うんですが、そこらへんは少しフレキシブルな形で想定されているのか。

知事: 今予算編成の時期でありますから。そういった辺りが引っかかってくるのですけれども、予算というのは補正予算もありますし、いろんな形でその都度動いてくるものに対して、途中から対応していくということも可能ですから、今ここで全部決めないと何も進まないということではないと思っています。

記者: 計上しても、その執行時期は年度明けすぐにやらなければいけないとは必ずしもないので、当初で計上するというのはあってもおかしくはないと思いますが、今補正というお話がありましたが、そうすると当初に入れない可能性っていうのも、今お考えなのでしょうか。

知事: それも含めて、どんな形にするのかという議論の流れもあるでしょうし、だからそういうのを含めながら予算というのは、入れておいてやらないのもあるし、少なめに入れておいて後から足すのもあるでしょうし、いろんなことができるでしょうと申し上げています。
 だから、予算編成の時期までにすべての規模感からスケジュール感から全部決めておかないと予算と向き合えないという話ではないですよねということを申し上げています。

記者: 現在地での建て替えと言うところは変わらないのか、そこも含めて、もしかすると見直す可能性も今後の展開によっては出てくると思われているのか、そこはいかがでしょうか。

知事: これも、当初お伺いしたときには、ありとあらゆる選択肢をご用意したのですけれども、職員の皆さんと家族会の皆さん、地元の皆さんの声もあったわけです。ここでという、ここで全面建て替えしてほしいということが出てきたわけですから、それに基づいて今まで進んできたわけです。そのときに、今いろんなご意見出ているのを全部聞いていくという話をしていますから、その中で、もうここは要らないのだという結論になるのかどうか、そこは少し私もよく分かりませんけれども、ここにお願いしたいという強い声があったことは間違いないです。私が勝手に決めたわけではないです。
 そういう声を受けてやろうとしたわけですから、こういう山深いところではなくて、もっと街の中の方が良いとおっしゃる方もいらっしゃいますから、では、全くなくていいのかというときに、地元の人がどう考えられるか、当事者の皆様がどう考えるか、ありとあらゆることを総合的に考えていかなければいけないと思っています。

記者: そうすると、半年経って事態が変わってきたとおっしゃる中で、もちろん議論は重ねているので前には進んでいると思いますけど、考え方としては、もう一回、ゼロベースとはいわないですけど、振り出しに戻った感じも受けますけど、そのへんはどうなんですかね。 

知事: 振り出しに戻ったというかどうか、要するに、モードは変わったことは間違いないでしょうね。
 だから、私の温度というのと、その団体の皆さんの温度、やはり違うのだろうなと思ったのは、それは何が違うかと言ったら、私が冒頭申し上げたように、事件の現場に真っ先に飛んで行って、事件の衝撃度というのを目の当たりにして、当事者の皆さんの生の悲痛な声を聞いたと。そこがやはりベースにあったから、なんとしてもお応えしたいという気持ちでやってきたというのと、もっと団体の皆さんが全体図を見て、福祉施設のあり方はどうなのかということを論じていらっしゃる中では、やはり、これまでは温度差があったということなのだけれども、そういう声があることは間違いないわけですし、そういった声を無視して、私がその思いで突っ走っては、決して誰のためにもならないと思いますから、少しここで立ち止まって、改めてもう一回お話をお伺いしたいということです。

記者: 繰り返しですけど、現在地での全面建て替えというとこに、もはや現状では固執していないという理解でいいんでしょうか。

知事: それも含めて、議論していきましょうということです。

記者: もう一回、改めて家族会や共同会に意向を聞くということもこれからやっていくのでしょうか。

知事: いろんな方のご意見を出していただくという作業は必要になってきますから、やはりなんらかの形でそういう場は必要になってくると思います。家族会の皆さんの生の声というのを私は聞いている、当事者の職員の皆さんの直接の声を聞いているのだけれども、皆の前でご披露したわけでもないですから、だからここが非常に難しい問題でもあるわけです。
 家族会の皆さんがあまり皆の前で話したくないと思われる方もたくさんいらっしゃるでしょうから、いろんな温度差があるので、なかなかそれを簡単な形で、はいどうぞという感じにはならないですけれども、余計に慎重にご意見を反映できるように努力していきたいと思っているところです。

記者: 一度立ち止まって議論をという話でしたけれども、この立ち止まる程度というか、イメージというか、改めて根本的に神奈川県全体の入所施設のあり方とか、地域移行の考え方とかということになると、非常に根本的な決定的な議論を想定してのことなのか、あるいは、今回の基本構想を想定に入れた中での若干のスケジュールの変更を含め、その程度のイメージなのかというそのへんはどうでしょうか。

知事: ある程度スピード感というのは大事だと思うのです。原状を復帰してほしいという強い被害者の皆さんの声があるわけですから。それとともに、根本のところはもう一回見直さなければならないというところがあります。そこをどうやって整合させていくかということが大きな課題になってくると思います。でもそれに挑戦していきたいと思っています。ですから、なるべき早くそういう総合的な検討もした上で、あそこの部分をどうするかという結論を何とか導いていきたいと思っているところです。

記者: 先程の知事の発言で、知事の温度と障害者団体の温度がちょっと違うんじゃないかというお言葉がありましたけども、知事の言動のベースにあるところは家族会と共同会の要望というとこが一番ベースにあると思うんですけども、となるとその共同会と家族会の要望と、障害者団体の人たちが山あいに大規模につくることが時代に逆行していると、このギャップが生まれていることっていうのは、知事から見てどういったところにあるのかお考えはありますか。

知事: ですから事件の衝撃度ですね。やはり当事者の皆さんの受けた衝撃度というのは計り知れないものがあります。私もその衝撃度が自分の中にあったからこそ、スピード感を持ってやっていこうとしてきたわけですけれども、その事件といったことが、当事者とそうでない方々との温度差というのは当然生ずるでしょうね。
 だから、それをうまくこれから調和させていきたいと考えているというところです。ですから、この答えは1かゼロか、右か左かということではなくて、例えば先程あった、ほかの施設で受け入れて差し上げますよという声が出てきということも実はあると。こういったことがいろいろ重なってくると自然な形である種の姿が出来上がって見えてくるかもしれないです。そういう中で、皆で議論していくということは大事かと思います。

記者: それはどういう幅でご意見を改めて伺うのかによると思いますけど、たぶんいろんな環境の方とかいろんな立場の方がいらっしゃって、皆さんが一つにまとまるというのは難しいと思うんですけども、全体の意見を聞いたうえで、最後は知事の政治判断的なとこになってくるという理解でいいんですよね。

知事: 最後はどこかで決断しなければいけないです。そこのところは私が責任持って決断するということになると思います。まだ今の段階では、公聴会はやりましたけれども、そこで意見を言っただけであって、それでばっと決めるのかというと、何かガス抜きみたいに思われるのは、それこそ私は心外ですから。そのような気持ちではない。皆さんにお伺いして、それを十分踏まえたうえで方針を考えていきたい。ただやはり、どこかで結論はしなければいけない。でもその結論に対して100パーセント全員が賛成されるということはないかもしれない。
 やはり民主主義ですから、議論を重ねていって物事を進めていくというのは基本でしょうから、それはやっていきたいと思っています。

記者: その知事ご自身が説明なり、意見を聴くって言う場にお出でになるっていうことも想定されていますか。

知事: それも含めて、検討していきたいと思っています。どういう場でどのような形で、どのようなメンバーによってどのようなスケジュール感で検討していくかということを、今そのこと自体を検討しています。

記者: 他の施設で受け入れへの動きがあったら自然な形で姿が見えてくるかもしれないっていうお話でしたけども、自然な形っていうのはどういうイメージでおしゃっているんですかね。

知事: 今例えば、うちの施設に引き受けてあげましょうと言ってくださった方がいらした。それが利用者の皆さんもそれはありがたいねと言って、もし行かれる、そのような流れが他にも出てくるのだったら事態は変わってきます。
 われわれは、あそこで被害を受けた方々を早く原状に戻そうという、早く戻してくださいという声があったから、その規模感で考えていましたけれども、やはり事態はそうやって変わってくる可能性があるということです。

記者: 規模に関してっていうことですか。

知事: 規模に関しても。

記者: 入所者ご本人からの意向確認がどれだけ出来るか分かりませんけども、そこが結構肝になってくるような気がしますけども、受け入れるって言ってる方がいらっしゃっても、ご本人たちが行きたくないと言ったらそれまでと言うこともありますもんね。

知事: そういった辺りも、確認した結果どうなるかもあまり分かりませんからね。

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