定例記者会見(2016年11月8日)結果概要

掲載日:2016年11月10日

発表事項

朝鮮学校の児童・生徒への学費補助金について

 はじめに、朝鮮学校の児童・生徒への学費補助金についてお知らせいたします。
 県政の重要課題である拉致問題の解決に取り組むため、平成23年に朝鮮学校の教科書から拉致問題の記述が削除されて以来、県は教科書に拉致問題の明確な記載をするよう、神奈川朝鮮学園を通じて繰り返し教科書改訂を求めてまいりました。
 平成25年度には、学校への経常費補助金を取りやめましたが、子供たちに罪はないという声を受けて、国際情勢や政治情勢による影響を受けることがないよう、平成26年度には外国人学校に通う児童・生徒一人ひとりに対する本県独自の学費補助制度を創設いたしました。
 朝鮮学校の児童・生徒については、拉致問題について明確に記述した独自教材による授業の実施を確認するなどしながら学費補助金を執行してまいりましたが、それは平成28年度中に予定されている朝鮮学校の教科書改訂で、拉致問題について明確に記載することが前提でありました。
 そこで、このたび朝鮮学校の教科書改訂について、学園に改訂作業の進捗状況を照会したところ、10月25日に文書で、社会歴史担当の編さん委員の辞任に伴う後任の確保や財政難などにより、社会歴史教科書すべてにわたって教科書の編さんに着手できないでいる。当初予定した現代朝鮮歴史Ⅲ教科書の改訂も困難になった、という回答がありました。
 また、昨日11月7日には、10月25日の回答の追加として、改訂が実施されない場合や、来年度からの使用に間に合わない場合には、神奈川朝鮮学園は現行教科書を使用せず、これに代えて学園が作成する独自の教材を用いることとし、現在そのための準備を進めている、という申し出がありました。
 県の求めに応じて、学園が教科書編さん委員会への要請活動に取り組んできたことは理解します。しかしながら、拉致問題の記述が削除されてから5年以上が経過しても教科書改訂に進展は見られず、改訂が見送られるのも平成25年度に続いて2度目となれば、これまで学園との間で重んじてきた信義が損なわれるものと考えざるを得ません。
 教科書改訂は、朝鮮学校の児童・生徒に学費補助金を交付する前提であるため、このような状況で学費補助金を継続することは県民の理解を得られないと思います。
 そこで、朝鮮学校の児童・生徒への学費補助金については、現時点では交付決定を留保せざるを得ないと考えています。
 ただ、昨日の回答の中の、現行教科書を使用せず、これに代えて朝鮮学園が作成する独自の教材を用いる、というその独自の教材とはどういうものなのか、われわれが求めた内容になっているのかどうかを見極めた上で、今年度中に最終的な判断をしてまいります。

介護フェアinかながわの開催について

 次に、介護フェア in かながわの開催についてです。
 県は、広く県民に対して介護の仕事の魅力を発信し、介護への理解や関心を高めていただくため、介護フェア in かながわを、11月23日に、新都市ホールで開催します。
 イベントの内容ですが、芸能活動のかたわら母親の介護を続けた女優でタレントの大沢逸美さんによる講演や、県内で活躍する若手介護職員のトークショーのほか、かながわベスト介護セレクト20やかながわ感動介護大賞の表彰式を行うなど、多彩なプログラムを用意しています。
 現在の介護保険制度では、利用者の要介護度が改善すると介護報酬が減額となり、利用者の自立を目指した事業者や職員の努力が反映されにくい仕組みになっています。
 そこで、本県では今年度から、かながわベスト介護セレクト20をスタートさせました。これは、介護サービスの質の向上や人材育成、処遇改善に顕著な成果をあげた19の事業所を表彰し、奨励金100万円を交付するものです。
 かながわ感動介護大賞は、介護に関する特に感動的なエピソードについて、応募者及びエピソードの対象となった介護従事者等を表彰するもので、今回が5回目となります。受賞6作品を表彰します。皆さん、ぜひご来場いただきたいと思います。

パラスポーツトライアル2016 in かながわについて

 次に、パラスポーツトライアル2016 in かながわについてです。
 県では、東京2020パラリンピック競技大会に、神奈川育ちの選手がひとりでも多く出場することを目指し、今年度から神奈川県パラリンピアン育成事業を開始いたしました。
 この取組みの一環として、障害者スポーツの裾野を広げるため、パラスポーツトライアル2016 in かながわを12月に2回開催いたします。
 県でこれまで実施してきた、かながわパラスポーツフェスタ、こちらは障害のあるなしに関わらず誰もが参加できる「かながわパラスポーツ宣言」に基づいたものでありますけれども、今回のパラスポーツトライアル2016 in かながわは、障害のある方を対象にパラリンピック競技を体験していただくイベントであります。
 この機会に、ぜひ多くの障害のある方にパラリンピック競技を体験していただきたいと感じています。
 第1回は、12月10日の土曜日に県総合リハビリテーションセンターで、主に肢体不自由の方や知的障害の方を対象に、バドミントン、卓球、車椅子バスケットボール、アーチェリーの体験会を開催いたします。
 車椅子バスケットボールでは、本県在住で、神奈川県パラリンピアン育成事業助成対象選手の鈴木 百萌子選手が登場します。
 第2回は、12月17日土曜日に県立平塚盲学校で、主に視覚障害の方を対象に、柔道、ブラインドサッカーの体験会を開催します。
 柔道では、リオパラリンピック柔道女子57キログラム級の銅メダリスト廣瀬 順子選手と、柔道男子90キログラム級日本代表の廣瀬 悠選手のご夫婦や、ブラインドサッカー元日本代表の鳥居 健人選手が登場いたします。
 トップアスリートから直接指導が受けられる、またとない機会であります。競技体験は、障害のある方が対象でありますけれども、見学はどなたでもできますので、たくさんの方にお越しいただき、パラリンピック競技を体感していただきたいと思います。
 ぜひ、たくさんの皆様にお越しいただきたいと考えております。

全国初、県内の女性消防団員が連携した実動訓練について

 次に、全国初、県内の女性消防団員が連携した実動訓練についてです。
 近年、大規模災害の発生が懸念されており、地域防災の中核を担う消防団の充実強化が大変重要となっています。
 しかしながら、消防団員の数は、全国的に戦後一貫して減少しています。
 そこで、県では市町村と連携を密にし、消防団の充実強化に取り組んでおり、かながわ消防フェアや、女性消防団員によるワークショップをはじめ、資機材整備等に対する財政支援、さらには、かながわ消防団応援の店登録制度の創設などを行ってきました。
 こうした県の取組みや、市町村の尽力もあり、神奈川県全体では、平成25年4月から、28年4月までの3年間で、女性消防団員は全国断トツの260名が増加いたしました。
 大規模災害は、いつ起こるかわかりません。そうした時に、地域に精通した女性も活躍できれば、多くの県民のいのちを助けることができます。
 そこで、11月15日火曜日にオール神奈川の女性消防団員等が集結し、実動訓練を実施いたします。こうした訓練は、全国の都道府県では初めてのことになります。
 当日は、県内14市町から約70名の女性消防団員等が参加し、発災直後に現場に駆けつけ、情報収集から消火、避難誘導、救護までの一連の活動を行います。
 県ではこうした訓練を通じて、オール神奈川の体制で災害に強いかながわづくりを推進してまいります。

動物保護センター建設基金の寄附募集としてのクラウドファンディング実施について

 次に、動物保護センター建設基金の寄附募集として、クラウドファンディングを活用することにしましたので、お知らせいたします。
 犬と猫の殺処分ゼロを達成した本県は、動物愛護の輪を神奈川から全国に広げ、力を合わせて新しい動物保護センターをつくりあげたいと考えております。
 新しい動物保護センターは、動物を生かすための施設として、犬や猫が、責任ある飼い主と幸せに暮らせるように、人と動物との橋渡しという大切な役割を担います。
 この役割の象徴的な施設として、犬や猫が新しい飼い主となる方とお見合いする場所である、ふれあい譲渡室は、必ずつくりたいと考えており、全体の寄附募集の一部として、この費用に対し、クラウドファンディングを活用して寄附を募集することにいたしました。
 クラウドファンディングとは、一般的に、事業に必要な資金を募集期間と目標額を定めて、インターネットを通じて多数の支援者から収集する手法です。
 募集期間は、平成28年11月10日から12月28日までです。
 目標額は、500万円です。これは、ふれあい譲渡室の建設費相当額になります。
 寄附いただいた方には、ふれあい譲渡室にお名前を記銘させていただくなど、お礼を用意しております。皆さんのご協力をよろしくお願いしたいと思います。

知事の米国及びメキシコ訪問について

 次に、11月15日から20日までの6日間、米国とメキシコを訪問いたしますので、お知らせいたします。
 まず、11月15日には米国のメリーランド州を訪問し、友好提携35周年記念事業に参加します。また、メリーランド州立大学を訪問し、今後の連携の方向性について、大学幹部と協議を行います。
 次に、11月16日から17日にかけて、米国カリフォルニア州のスタンフォード大学を訪問します。スタンフォード大学では、ヘルスケア・ニューフロンティアのさらなる国際展開に向け、同大学の医学部との間で、ライフサイエンスや未病などの分野における連携・協力に関する覚書を締結する予定であります。
  また、17日には、現地で本県とスタンフォード大学が共同で開催する、革新的な医薬品や医療機器の開発促進をテーマとしたシンポジウムに参加します。
 経済交流の促進の関係では、まず、11月16日に米国の企業を本県に誘致するため、カリフォルニア州のシリコンバレーで、神奈川投資誘致セミナーを開催します。
 続いて、11月18日午前には、本県と経済交流に関する覚書を締結しているメキシコのアグアスカリエンテス州を初めて訪問し、公益財団法人神奈川産業振興センターが募集した県内企業ミッション団とともに、日産自動車アグアスカリエンテス工場を視察します。
 午後には、アグアスカリエンテス州政府との共催で、カルロス・ロサーノ州知事にもご出席いただき、神奈川経済セミナーを開催いたします。
 セミナーにおいては、県内企業ミッション団にも参加していただき、現地企業とのビジネスマッチングにつなげていただく予定にしています。

知事出席主要行事

 知事出席主要行事につきましては、事前送付した資料のとおりです。

質疑

朝鮮学校の児童・生徒への学費補助金について

記者: 冒頭にありました朝鮮学校の補助金の関係ですが、今まで学費補助をしていたのは、もともと一度、やり方を切り替えたのは核実験を受けてということだったと思うんですけれども、それでも、学費補助をしたのは国際情勢にかかわらず、子どもの教育の機会を確保するということが狙いだったと思うんですけれども、今回、留保という形になって、改善が見られなければ支給を見送るということになると思うんですけれども、子どもの教育の確保という観点からすると問題なんじゃないかという指摘もあろうかと思いますけれども、その点についてはどうお考えですか。

知事: 国際情勢とか政治情勢による子どもたちへの影響を避けるため、外国人学校に通う児童・生徒への学費補助制度を独自に創設したわけです。従って、学費補助金を留保する理由というのは、国際情勢に基づくものではないです。この学費補助制度というものは、教科書改訂というものが前提だったわけです。そこができなかった。今の段階ではできなかったということでありますから、それは話が違うということで、今の段階では留保せざるを得ないということであります。
 ただ、そこも、学園が教科書をつくるわけではないですから。学園が教科書編さん委員会にアプローチをして、それで教科書編さん委員会で教科書改訂の作業に入るわけなのですけれども、そこは結局しなかったということです。学園自身は、教科書改訂を持ちかけたことは間違いない。そこのところは評価するということでありますけれども、しかし、編さん委員会で教科書改訂をやらなかったということであるならば、これはやはり、約束が違うと言わざるを得ないということで、今の段階では留保せざるを得ないということです。

記者: 現時点で改訂できていないとなると、今年度中に、来年度から使うもので条件を満たす教科書をつくるというのは、ほぼ絶望的、かなり困難になっているという認識ですか。

知事: いや、そこは2回目に、きのう学校から改めて回答が来たのです。それを見ると、教科書編さん委員会を動かすことはできないけれども、神奈川独自で教材をつくると言っているわけです。だから、教科書編さん委員会がつくった教科書、これをあえて使わないと言っているわけです。これを使わないで、神奈川独自で教材をつくってやるからという話を改めてされてきたわけです。
 では、それが一体どういう教科書をつくるのか、本当の教科書を使わないということをどうやってわれわれが担保できるのか、そういった辺りをやはり確認しないと、なるほどとは言えないです。でもそれは、いつまでも延ばすわけにはいかないから、一応、本年度中はその様子をわれわれは見守っています、ということです。

記者: 改めて確認なんですけれども、どういう教科書にすることを条件として求めているのか、拉致問題に関する記述というお話があったかと思うんですけれども、そういうことでよろしいんでしょうか。

知事: それが一番のポイントです。今、現在の教科書には、拉致問題の記述はないのです。もともとはあったのです。ずっと前は。これは平成22年度ですか、もう古い話になりますけれども、この時には、拉致問題についての記述はあったのですが、ところがその記述内容自身が、「拉致問題を極大化し、反共和国、反総連、反朝鮮人騒動を大々的に繰り広げることによって、日本社会には極端な民族排他主義的雰囲気がつくりだされた。」というふうな、非常にその、間違った記述があったわけです。
 これだとまずい、ということで、このような教科書を使うのは冗談ではないと強硬に申し入れたところ、教科書改訂が実際に行われたわけですけれども、今度は拉致問題の記述が消えてしまったのです。それはおかしいだろうというところになって、その後、北朝鮮が第3回目の核実験を、平成25年2月でしたけれども、そういう状況の中で、われわれは補助を続けるわけにはいかないと言って、いったん打ち切ったわけです。
 しかし、またその後、子どもたちには罪はないだろうという声があったので、確かにそれはそうだなと、しかし、国際情勢にいちいち左右されてそういったものが、子どもたちに影響が及ぶのは良くないだろうということで、制度そのものを改めたというか、つまり、学校に対する補助金という制度そのものをやめて、生徒一人ひとりに対する学費補助という形、この制度を神奈川県は導入したわけです。
 ですから、その後は、国際情勢がどうであろうと、一人ひとりの学費補助という形では継続をしていたわけです。ただ、その大前提となっていたのは、今度の教科書改訂では、拉致問題をきちんと入れると、正しい認識の下の拉致問題の記述を入れるということが、前提となっていた。われわれはじっと待っていたわけです。それが行われないというのであれば、この話は留保せざるを得ないのではないのですかというところです。

記者: 仮に新しい独自の教科書をつくって、拉致問題を記載していたとしても、まさに知事がおっしゃったように、それを実際に使わなければ意味がないわけですよね。それについては、どういうふうに県として確認していくお考えですか。

知事: 今も、教科書本体には拉致問題の中身は無いのですけれども、われわれが強硬に申し入れたことによって、独自の教材を神奈川朝鮮学園はつくって、それで授業をしているということで、その授業の内容をわれわれは確認に行っているわけです。ちゃんとその授業は行われているということがあって、それはわれわれの目で確認したということです。ですから、次も同じような作業が必要になってくるかもしれないです。

記者: これまでの独自の教材には、拉致問題について記載されていて、それに基づいて授業をやっていると、それを確認したということなんですよね。

知事: それは、しっかりとした教材になっていて、拉致問題について、きちんとした記述がある副教材のようなものでしょうか、そういったものが出来上がっていました。

記者: ただ、そう考えていくと今回も実際に新しい教材を使わないで、副教材的なもので実際に授業をやれば、それでオーケーだという話にはならないのでしょうか。

知事: そこのところは、少し様子を見なければわからないです。今もそういう形があるわけですけれども、要するに、もう現行教科書を使わないと言っているのです。今回の向こうからの回答は。今現在は、現行教科書があって、拉致問題の記述が無いから拉致問題については、別の教材を独自につくった教材を使ってやっているという現状ですけれども、今回言ってきた内容は、本体の歴史教科書を使わないと言っているわけです。
 何か新しい教材をつくるとおっしゃっているわけですから、それはどんなものかというのは、少し見極めた上で最終的な判断をしたいと、こういうことです。

記者: 今の朝鮮学校の補助金のことでもう少しだけ。あくまでも学校側の教科書に関する不手際と言いますか落ち度によって、実際に補助を受ける家庭、児童・生徒が不利益を受けてしまうという形になります。そういった仕組みにする大前提が教科書を見直すことだというお話だったんですが、改めて、言ってみれば形式的には落ち度がない子どもさんが不利益を受けてしまうということについてのご見解と、それから児童・生徒のご家庭に対して、県としてはどういうふうなご説明を、例えば文書を出すとか、説明をされるとかそういったお考えがあるかどうか、その辺りをお伺いしたいのですが。

知事: 落ち度とは、私は認識していないです。つまり学園側が、先程も申し上げたように学校側がその教科書をつくる権限を持っているわけではないです。教科書編さん委員会があって、そこにアプローチをしていたということだと思うのです。
 だから、学園側がそのアプローチをしていたということについては、われわれは認めているわけだし、そこは評価しています。
 ただ、その編さん委員会で、結果的には何もしなかったということです。これは、要するにわれわれがもともと言っていたのは、子どもたちには罪はないという認識の下で、この制度を実施していたわけです。
 そういう共通認識、これは学園とわれわれは持っていたけれども、教科書編さん委員会とは、結果的に持てなかったということでしょうね。だから、教科書編さん委員会に、それだけの危機意識がなかったということではないでしょうか。
 ですからわれわれは、そこまで信義を裏切られるような行為を続けられて、やはり県民の貴重な税金ですから、それを継続して個人に対しても支払うことはできない、今の段階では、ということをお伝えしているということです。その後どうされるかというのは、しっかりと中のほうで、対応策を決めてほしいということです。

記者: 確認ですけれども、仕組みとしては、あくまで県が、子どもさんに直接支給するという方式だったというふうに記憶していますけれども、その、直接不利益を受けるのが子どもさんであることに対しては、知事としてはどのようにお考えになりますでしょうか。

知事: それはだから、学校の問題、そして教科書編さん委員会の、そちらの問題だと私は思っています。われわれの問題ではなくて。

記者: 県として、支給を受けられているご家庭、子どもさんに対して、何らかのご説明をされる予定というのはありますか。

知事: いや、もう私はこういう会見を使ってのメッセージを出しているということです。こういう内容は多くの県民の皆さんも聞いていらっしゃるわけですから、やはり自分たちの税金がどう使われるのかということに対して大変ご関心がおありだろうと思いますけれども、2度にわたって、教科書改訂というもの、その約束が守られなかったといった中で、さらにその個人個人だと言っても、そこにお金を出すということについて、私は県民のご理解を得られないと思います。

私学振興課長: 保護者に対しては、本日知事からたった今発表がございましたので、本日付で、交付決定を留保するという通知を発送するということで、作業をしております。

記者: そこには今回の理由というのも。

私学振興課長: 知事から発表のあったことの理由を記載してございます。

知事: だから、留保するといっても、これは留保せざるを得ない状況だと判断しているということです。最終的な回答があったわけですから。その追加の回答が。だから、自分たち独自で教材をつくりますと、今の教科書は使いませんということがあるのですから、では、どのような教材をつくられて、現行教科書を使わないとは、どういうふうにして使わないのか、それはやはりちゃんと確認した上で、この態度は最終的に決めますということですから、今、交付するのを止めてしまいますとは言っていないです。
 今のこの情勢だと、止めると言わざるを得ませんよ、と言っているだけの話です。ですから、ご家族に通知する内容もそういう内容です。

記者: 長くなって申し訳ないんですが、その点確認させてください。通常であれば、平年ベースではですね、実際の交付される時期というのはもう少し先、例えば年度末とかですね、そういう時期に、本来であれば交付するようなものという理解でよろしいでしょうか。

私学振興課長: 1回目が、4月分から8月分ということで、ちょうどこの時期に交付決定をします。9月分から3月分については、最終の3月ということ。ちょうどこの時期が交付決定をする時期でございますので、今が1回目の時期。

知事: ですから、当初は、もう今日(10月25日)のこの段階で、交付を留保しようと思ったんですが、たまたま、昨日、追加の回答がきました。繰り返し言っているように、本朝鮮学校が作成する独自の教材を用いると、そのための準備を進めているということが来たので、今日の段階でバサッとというわけではなくて、それを少し見守りましょうということです。時期はいつまでもというわけにはいかないので、今年度中にということでお話をしています。

記者: 4月から8月分の決定時期が今あって、4月から8月分は交付するんですか、しないんですか。

知事: 今の段階ではできないです。

記者: これ、大体11月くらいに交付している分を、今はストップするということですか。

知事: 今の段階ではね。ですから、これが、教科書問題、片がつけば、これはさかのぼって交付いたします。

記者: それはでも、先程おっしゃったように、今年度内、今年度末に最終決定をするということですから、来年の3月末までは見守るんですよね。

知事: そういうことです。

記者: ということは、その時期までは交付しないと。

知事: そういうことです。

記者: 今回通知する分も、4月から8月分の交付はしませんよという通知ですよね。しませんという通知ですよね。4月から8月分は。

知事: 今の段階では、留保せざるを得ない状況です。今の状況だと。

記者: 交付はいずれにしろしない訳ですよね。

知事: 今はね。だから、交付しませんといっている訳ではなくて、今のこの状態だと交付はできませんよと。

記者: 例年なら、11月にもらえるお金が、今年度は、今の状況ではできませんよと。

知事: 今の状況ではね。そういうことです。この問題が解決すれば、さかのぼってお支払いするという形になります。

記者: 確認ですけれども、留保しているのが、今年の4月から8月分のお金ということでよろしいんでしょうかね。それ以前、4月より前のものについては、もう既に交付していて。

知事: 去年度の分です。昨年度の分は、もう終わってます。だから、今年度の分です。今年度の分を、少し待てと言っているわけです。

記者: 今年度の4月から8月分を、少し待てって言っているわけですね。

記者: 朝鮮関係ですけれど、今年の3月に文部科学省がですね、各都道府県に対して、適正な朝鮮学校に対する支出が、判断するようにという通知があったと思うんですけれども、その影響というのは、今回の判断に影響を与えているのかということと、昨年度、明らかになったことですけど、生徒・保護者の方に対して支給するという形を、県が独自でつくったわけですけれど、実際、ふたを開けてみれば、その保護者の方が学校側に納付を、流用するというか、上納するという形をとっているケースが、多分に見受けられたわけですけれど、そういう実態が明らかになった上で、知事がそういうご判断をされたのか。そのへん、ちょっと確認したいんですが。

知事: 3月29日付で文部科学大臣通知がありました。内容は、朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点についてといったものでありました。これは、朝鮮学校への補助金が対象となっていると考えています。われわれは、朝鮮学校への補助はもうしてないのです。ではなくて、朝鮮学校の生徒一人ひとりに対する学費の補助という形に変えていますから、今回の問題にその通知が影響を与えたということではないです。
 それと、個人個人に学費補助をしているのだけれども、実質的にはそれを学校が吸い上げて、補助金代わりに使っているのではないかと、いろいろ途中で指摘もありましたけれども、そういった点も厳しく学園側にも話をしまして、それを改善するように努めてきていると、われわれは見ています。

記者: ということは、今回の決定に関しては何ら影響を与えていないと。

知事: 今回の決定は全然関係ないです。今回の決定は、あくまで教科書改訂を平成28年度中にやると言っていた話が、できないと来たわけですから、この話は元に戻りますね、信義にもとりますね、という話にならざるを得ないです。

記者: 改訂を求めていくということ自体は、県と朝鮮学校との間で交わした上で、約束のような形ですよね。それが結果的に裏切られたということですか。

知事: そういうことです。今の段階では。

記者: 今言った約束というか、先程知事は大前提という言い方をされていましたが、大前提というのは文書で交わされている、あるいは何かどういうものなのでしょうか。

知事: これは文書で交わしているのですよね。

私学振興課長: 大前提というのは、学費補助金制度を26年度につくるときに、朝鮮学園は4つのやることを示しております。これは前回知事からお話しているかと思いますが、それを見ながらということで、それが29年4月から使用する教科書の改訂を目指していくという項目も入っていますので、そのことが現在のところは守られそうにないという状況でございます。

知事: これは文書で取り交わしているのですよね。

私学振興課長: こちらから照会して、回答ということで形になっております。

記者: 繰り返しになってしまうんですけど、知事は今も言ったように、学校への補助金ではなく、学費の補助にしているので、文部科学省の通知とも関係ないというような言い方をされていたりするんですが、教科書問題というのは、ある意味学校と教科書編さん委員会だとかの関係であって、生徒そのものは、生徒がいくら何を言っても教科書を変えられるわけでもないので、そうすると学校への補助金ではなくて、と言っているものと何となくちょっとずれがあると言うか、理解が難しいなと思ってしまうんですが。
 学校への補助金ではないけれども、学校の問題を理由に各個人の生徒への補助金を留保してしまうというのは、何となく整合性が無いんじゃないかなと。先程幹事社が言った質問も多分そういうことだと思うんですけれども。

知事: いや、だから、学園側が県と約束したわけです。教科書を改訂しますと。そのときに、子どもたちに罪は無いから、そういう制度を神奈川県は独自にとりますということで学園側と県は約束しているわけです。その共通認識が、教科書編さん委員会ととれなかった。
 といったら、やはりこれはわれわれにとってみれば、約束が違うではないか、という形になります。子どもたちに責任が無いという、どうしてその思いを教科書編さん委員会は持たなかったのかということです。私たちから言えば。われわれはそう言っているのですから、その思いを実現してくれるには、まさに教科書編さん委員会も、確かに自分たちの子どもたちを守らなくてはいけないから、では教科書を変えようという、なぜそのような気にならなかったのかということです。

記者: 関連なんですけれども、知事がおっしゃっているように教科書を改訂するのは、あくまで編さん委員会で、先程危機感がそれほど無かったんではないかというお話ありましたけれども、そうすると学園側の努力とか権限の中でできることというのが、そもそも限られている中で、学園としては現行教科書は使わずに独自教材をつくるといった代案を示している中で今の段階で交付をストップするという判断に至った理由というのは。 

知事: それは少しおかしいじゃないですか、今の情勢だと交付を留保せざるを得ないですと言っているのです。だから先程の最終回答、最終回答というか、きのう来た答えですね。学園自身が独自の教材をつくると、現行教科書は使わないと言っているといったこと。ではどのような教材をつくるのですか、どのように歴史教科書を使わないということをわれわれに見せてくれるのですかといったことを示してくれるということを待っているわけです。だから今、決めていないのです。

記者: 4月から8月分の交付っていうのは本来ならば今の時期に関係するということで、それが延長するということではないんですか。

知事: これはこういう流れの一連の話がありましたから、ストップしています。だから少し時期がずれるかもれしれませんが、年度の間に全部この問題が解決すればわれわれは交付いたします。

記者: 結果的にそれを確認できれば、さかのぼって支給することも考えているといったお話でしたけれども、制度の主旨が教育の機会を安定的に確保するということからすると、その期間が少し延びるとか、そういう判断を今の時点で延ばさざるを得ないということに関しては教育の安定ということから考えると、知事はどのようにお考えですか。

知事: それはわれわれの問題ではないと思っています。われわれはスタンスがはっきりしているわけですから。子どもたちに罪はないという言い方をわれわれはちゃんと受けて、そのための対策を整えたわけです。そのことに対する同じ思いを持たないのはそちら側でしょうということです。それはわれわれに言われる問題ではないと思っています。

記者: 事実関係の確認なんですけども、最初の10月25日の文章というのは交付決定の時期が近づいているということで、自主的に学園から出されたものなのか、それとも県がそもそも提出を求めていたものなのか、ということと、11月7日の追加の文章というのは、これもまた自主的に出てきたのか県が何か求めたものなのか。
 
私学振興課長: 10月25日付の回答は、もともと県がそろそろ状況どうですかということで照会をして出していただいたもの。11月7日については、その後の状況で追加があったということで自主的に出されたものです。

記者: 11月7日については、県として何か提出を求めたものではないということですね。

私学振興課長: 10月25日までに回答を求めたということです。

記者: 細かくて恐縮ですが、交付決定の時期と実際に交付する時期っていうのは同じと考えていいんですか。4月から8月分はこの時期に交付決定するとかあったんですけども、実際の交付というのは。

私学振興課長: 実際に4月から8月分はこの時期に交付決定をすれば交付につながりますので、そのまま交付をさせていただく、支給をさせていただくということになります。

記者: 今後とりあえず判断を留保されて、年度内の様子を見たいとおっしゃるんですけれども、4月から8月分については、要するに拉致問題の記述が無い教材しか使っていない状態だったということになっちゃうと思うんですけど。

知事: そうではなくて、独自でつくった拉致問題だけの教材がありますから。それは使っているという判断です。

記者: この後、それを使わなくなるかもしれないので、代わりに何か担保されるものがつくってもらえない限りは停止すべきと。

知事: 今あるのは、拉致問題の記述がない教科書と、われわれが強硬に言ったものだから神奈川だけが独自につくった拉致問題だけの教材があるのです。この2つを使って授業をしているという状況です。われわれがもともと求めていたのは、本体の歴史教科書の中に拉致問題も入ったものをつくってくださいと。これ約束しますと言って、話してきたのが、できませんでしたと言っているわけですから、では話は全部無しだと。われわれはもう生徒一人ひとりへの学費補助もできませんということを言おうと思ったら、少し待ってくださいと。われわれ独自で教材を、全体の歴史教材をつくりますからと言ってきたので、ではそれを待ってみようということです。
 しかも、本体の歴史教科書は使わないと言っているわけですから。それは、そこのところはそこまでは様子を見ましょうよということです。それを見た上で、最終的に判断しましょうよ、ということです。
 
記者: そうすると、新しく仮に県側が望むような教科書をつくったとしても、今年度4月から8月までは、その教科書使って授業していないわけですから、遡及して補助を支給するっていうのは齟齬が出ないですか。

知事: いや、だから先程申し上げたように、4月から8月の分では拉致問題だけの独自の教材、これはありますから。われわれ、毎日の授業を確認しているわけではないですけれども、こういう授業が行われてきたということの認識でいるのです。

記者: であれば、4月から8月は別に支給してもいいんじゃないかと思っちゃうんですけど、そうではないんですね。一応、副教材とはいえ、拉致問題についての授業というか、教育を担保しているというふうに判断できるのであれば、今後与えないよっていうんだったら分かるんですけど、今一応、副教材的なもので教えていることに対して、それについて支給しないよというのは、ちょっとなんか齟齬が出ないですか。

知事: 28年度中にこの教科書改訂をしますという話の中で、それがだんだん時期が近づいてきたという中での話ですから、それが教科書改訂ができていないというニュアンスが来ている中で、では4月から8月分は関係ないから出しますということは言えない。
 ただ、今年度中に教科書改訂をちゃんとやってくれれば、本文の本当の改訂はできなくても、神奈川の学園だけでも教科書改訂をしっかりやってくれれば、それはさかのぼって出しますという条件を提示しているわけです。

記者: 何かその、今後未来に対して支給しないよっておっしゃるんだったら分かるんですけれど、一応、何度も言いますけれど、副教材的なものとはいえ、拉致問題に触れたもので教えている以上、それは、今後ちゃんとした教科書をつくるってことであれば、そこについてはとりあえず支給すればいいんじゃないのかなってなんとなく思っちゃうんですけど、そういうことじゃない。

知事: ちょうど、判断の時期とかぶっていましたからね。だから、これはもう信義の問題ということだと思います。
 
記者: 今の話に関連するんですけれども、基本的に拉致問題の教育内容的には、これまでも曲がりなりにもですね、副教材という形でできていたというのであればですね、子どもたち、教育を受けている側としては、教科書が変わろうが変わるまいが、基本的には同じものが教育内容としては継続されるということでよろしいんでしょうか。
 要するに、拉致問題が今の現行の教科書の本体については記述はされてないけれども、副教材で補ってきたということは、これまでも県が必要と認める教育内容というのはなされてきたということなんですね。
 
知事: それはだから、本来は本当の教科書の中に入るべきだと。でも、それをやる前に、要するに、教科書改訂というのは何年に1回しかできないからということがあるので、ではそれまでの間はそれで大目に見ましょうよということであって、副教材でやるから良いですという話は、そのようなことは言っていないです。だから、教科書本体を全部変えるということが大前提だった、そう約束したでしょう。その約束がどういう事情かは知りませんけれども、できなかったというのであれば、これはわれわれだけが約束を果たすわけにはいかないでしょうということです。

記者: 約束を破った信義則違反を犯したのは学園であり編さん委員会である、ということでしょうか。

知事: 学園が一生懸命編さん委員会に向かってそういうアプローチをしたことはわかっていますから、そこの部分は評価しますけれども、でも結果的にはできなかったということです。
 だから、子どもたちに罪はないだろうとわれわれが一生懸命言っている話を、教科書編さん委員会はあまり重く受け止めていなかったってことではないでしょうか、それはひどいのではないでしょうかということです。

記者: そうすると本来受けられるはずだった子どもたちが、もし恨むなら編さん委員会を恨めというスタンスで県は今回の判断をされたということですか。

知事: どこを恨めばいいかということはわかりませんけど、それはそちら側の問題ですよということです。われわれはやはり県民に向かって、貴重な税金を預かっている、それをどう使うかということをしっかり皆さんに納得できる形で使っていかなければいけない、そういう責任がありますから。約束を破られてもこれは子どもたちに罪は無いから、大人たちの問題ですからこの学費補助は継続します、と言って県民の皆さんが、約束を破られても仕方がないと言ってくださりますか。

記者: となると、他に制裁じゃないですけど、ペナルティーなり約束違反に対しての県のアクションというのは選択肢としては無かったということなんでしょうか。

知事: そうですね。

米大統領選について

記者: 1点別件でよろしいですか。アメリカ大統領選、明日の日本時間午前中くらいには結果が判明するとみられますが、トランプ候補は日本の基地を撤退すべきだという発言もしていまして、基地を抱える神奈川県としても、もし仮にトランプ氏が大統領になった場合、何らかの影響があるんじゃないかなと予想もできるんですけども、それについて知事はどういうふうにみているというか、トランプ候補が大統領になった時の影響というのはどういうふうに考えていますでしょうか。

知事: この間メリーランド州から大学の先生が来てくださって、このテーマについて講演をしてくださったのです。専門の方だったのですけど。そのような中で彼は、分析としてクリントンが最終的には勝つだろうとは言っていましたが、私はそのときに質問をしたのです。トランプを応援している人たちの本当の気持ちとはどこにあるのでしょうかと。トランプ候補が今、口にしているさまざまなことを、それが良いと思って支持しているのか、そうではなくて、あのように言っていても本当の大統領になったならば、常識的なところに落ち着いてくるのであろうかなということも見込んだ上で支持しているのか、どっちなのでしょうか、という話をしたところ、それは非常に答えにくい質問だ、みたいなことをおっしゃっていました。
 だからアメリカの政治の専門家の先生自身もそのへんがよくわからないというところでありますので、日本人の私がそこのところはこうだというところはなかなか言えないと思います。
 それは希望的な観測としては、例えばトランプ大統領になったとしても、日米安保の重要性というのはしっかりと理解していただいて、そして基地のことについてもしっかりと目配りをしてくださるということを期待はしていますけれども、しかしそのへんの心具合というのがわからない、誰がブレーンになって付いてくるのか、どういう人たちが閣僚に入ってくるのかによってもまた変わってくると思いますから、今の時点では何とも言えないところがあります。

(以上)

神奈川県

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