定例記者会見(2016年7月27日)結果概要

掲載日:2016年7月29日

発表事項

県立津久井やまゆり園で発生した事件について

 昨日の痛ましい事件を受けまして、昨日、午後に、津久井やまゆり園に駆け付け、園長、指定管理者である、かながわ共同会の理事長から詳しい状況について説明を受けました。
 また、家族会の会長さんにもお会いすることができまして、お悔やみを申し上げ、亡くなった方への献花をさせていただきました。
 そして、今回の事件につきまして、駐日ドイツ連邦共和国大使のハンス・カール・フォン・ヴェアテルンさんから、哀悼の意を表明した書簡をいただきました。
 報道では、被疑者が障害者を抹殺するというような犯行を予告する手紙を衆議院議長公邸に持参したことや、その後、措置入院したこと、大麻の陽性反応が出たことなどが伝えられていますが、これらについては、関係機関からの情報提供がなく、結果として県は把握しておりませんでした。
 これは、関係機関の情報共有に課題があったのではないかとも考えられますので、県としましては、今後、二度とこうしたことが起こらないように、かながわ共同会や関係機関と連携しながら、事故について徹底的な検証を行い、再発防止策を講じてまいります。
 このたび負傷された利用者の方々の回復を、心よりお祈りいたしております。

ライフイノベーションセンター入居事業者の発表及び開所式の開催について

 それでは本日の発表項目ですが、はじめに、ライフイノベーションセンター入居事業者の発表及び開所式の開催についてです。
 本県では将来の高い成長が期待される再生・細胞医療の産業化に向けて、ライフサイエンス産業の集積が進む川崎市の殿町地区に、その拠点となる、「ライフイノベーションセンター」を公民共同事業で整備し、本年4月から供用を開始しています。
 ライフイノベーションセンター入居事業者について、このたび新たに理化学研究所発のベンチャー企業をはじめとする三つの事業者が決定し、公表の手続きが整いましたので発表いたします。
 新たな入居事業者の名称や事業内容は、お手元の資料に記載のとおりです。いずれも再生・細胞医療の分野で高い技術や研究シーズを持つ、有望な事業者であります。
 ライフイノベーションセンターへの入居を公表した事業者は、合計18となりました。公表前のものも含めますと、床面積の約九割で、事業者が決定している状況であります。今後も準備が整い次第、発表してまいります。
 また、このライフイノベーションセンターの開所式を入居事業者や関係機関にご参加いただき、8月25日に開催いたします。私も参加する予定であります。詳細は別途ご案内しますが、取材の方よろしくお願いしたいと思います。

神奈川県企業立地トップセミナーを開催

 次に、神奈川県企業立地トップセミナーの開催についてです。
 今年4月からスタートした新たな企業誘致施策「セレクト神奈川100」の紹介をはじめ、神奈川の魅力や立地するメリットを紹介し、企業立地を働きかけるトップセミナーを開催することとしました。
 本セミナーでは、私が「神奈川には選ばれる理由があります」というテーマで講演を行います。
 また、「神奈川の成長産業の可能性」というテーマで、本県が成長産業の代表格として位置付けている未病産業やロボット産業に関連する企業の方々とのパネルディスカッションも行います。
 開催日は8月26日、会場は東京都千代田区の帝国ホテルです。
 パネルディスカッションにご出演いただく方々ですが、光吉 俊二さん、彼は人の音声を解析し、心の未病状態をチェックするMIMOSYS(ミモシス)を開発したPST株式会社の創業者です。
 また、中島 宏さんは、株式会社ディー・エヌ・エーの執行役員、オートモーティブ事業部長で、自動運転技術を活用した新しい交通サービスの実現を目指しているロボットタクシー株式会社の代表取締役社長です。
 当日は、このお二人と共に、神奈川の魅力を発信し、企業立地を促してまいります。

かながわベスト介護セレクト20の募集開始について

 次に、本日から、かながわベスト介護セレクト20の募集を開始いたします。
 現在の介護保険制度では、事業所が質の高い介護サービスを提供し、要介護度が改善すると、介護報酬が減り、頑張った事業所が報われない仕組みとなっています。
 そこで、本県では、介護サービスの質の向上の好循環を目指すため、サービスの質の向上や人材育成、処遇改善などに顕著な成果をあげた事業所に、かながわベスト介護セレクト20として奨励金100万円を交付することといたしました。
 事業所にとっては、要介護度が改善すると報酬が下がってしまう仕組みですので、今回の奨励金は、頑張った事業所を応援するメッセージとなるように、本県独自の取組みとしてスタートします。
 応募対象となる事業所は、かながわ介護サービス等向上宣言を行った上で、事業所指定から三年が経過していること、過去三年間に指導・監査で勧告以上の行政指導又は行政処分を受けていないこと、介護サービス情報公表制度で、事業所の運営体制や介護サービスの提供体制等を示すレーダーチャート7区分すべてが4点以上であること、以上3点をすべて満たす事業所が対象となります。応募期限は、8月31日、水曜日までです。
 奨励金につきましては、1事業所あたり100万円、最大20事業所に交付いたします。
 交付にあたりましては、11月23日、祝日に開催します「介護フェアinかながわ」で交付する予定です。
 多くの事業所に応募していただけるよう、期待していますので、ぜひご応募いただきたいと思います。

平成28年度「公募型『ロボット実証実験支援事業』」採択案件を決定しました!!

 次に、公募型ロボット実証実験支援事業の採択案件の決定についてです。
 本事業は平成25年度から毎年実施しておりまして、今年度も実証実験の企画を全国から募集したところ、29件の応募がありました。そして、審査の結果、今回は13件を採択いたしました。本日は、その中でも特徴的な、3件のロボットの概要についてご紹介いたします。
 まずは、災害対応分野です。表の最初に記載している、株式会社キュー・アイの「ダム調査ロボットシステム」をご覧ください。
 このロボットシステムは、水中にあるダム壁面をカメラで撮影する水中ロボットと、それを水面から吊り下げる水上ロボット、この二つのロボットから構成されておりまして、自動的に航行し、水中にあるダム壁面の亀裂・剥離などをカメラで撮影することにより、その劣化状態を自動的に点検するものです。
 ダム壁面の水中部分の点検をする場合、現在は潜水士による目視で行なわれていますが、
 広い壁面全体を点検するには、かなりの時間や費用を要するという課題があります。
 このロボットシステムにより、ダム水中部分の壁面全体を、短時間・低費用で点検できるようになることが期待されます。
 今回はダムでの実証を想定しており、壁面自動調査機能等を現場で確認し、その有効性を検証します。
 このようなインフラ点検に関わるロボットとしては、この他にも、橋を点検するロボットを2件採択しています。
 次に、高齢者等への生活支援分野についてです。資料3ページ目の左下をご覧ください。
 株式会社安川電機の「屋内移動支援ロボット」です。このロボットは、テーブル部分が電動でゆっくりと手前に倒れ、かつ戻るという立ち上がりアシスト機能を搭載しており、ベッドに座った状態からでも、介護者立ち会いのもと一人で立ち上がることができます。
 また、誤って体重を預けても、搭載した電動ブレーキ機能により、転倒を防ぐことができます。
 本年度は、改良した試作機を、介護施設などで利用者に使ってもらい、操作性や立ち上がりアシスト機能などの有効性を検証します。
 さらに、介護・医療分野についてです。資料4ページの左上をご覧ください。
 株式会社メディカルプロジェクトの「入浴中の見守りができるマット型センサー」です。
 高齢化の進展に伴い、入浴中の心肺停止による事故は増加傾向にあります。単身で入浴可能な元気な高齢者でも、この危険性は身近なものといえます。
 このマット型センサーは、浴槽の底に敷くことで、入浴している人の呼吸や脈拍などを、安全に検知し、異常を検知した場合は、アラーム等により家族など介護者に通知することができるため、入浴事故の防止が期待できます。
 今回の実証では、介護施設などで、実際に利用者の方に入浴していただき、センサーの精度や使い勝手を確認します。
 今後、県としては、採択した13件の実証実験について、施設・モニターのコーディネートや安全検証などの支援を行い、引き続き「さがみ」から一つでも多くの生活支援ロボットの商品化の実現を目指してまいります。

知事出席主要行事

 知事出席主要行事につきましては、事前に送付した資料のとおりですが、そのうち、1件コメントしておきます。
 この記者会見の終了後、全国で初となります、国家戦略特区を活用した家事支援外国人受入事業の特定機関基準適合通知書の交付を、新庁舎5階の第5会議室において行いますので、お知らせいたします。

質疑

県立津久井やまゆり園で発生した事件について

記者: きょうはこういった事件のタイミングでもありますので、先に発表事項で各社、質問があればそれを先にと思っていますが、どうでしょうか。よろしいですか。それでは今回のやまゆり園の事件の関係で、幹事社からいくつか質問させてもらいます。
 冒頭、知事の方から法人の理事長とお会いされたと、それから家族会の会長にもお会いされたということだったんですが、どういう説明を受けて、知事からはどういったお話をされたのか、それぞれお話しいただきたいのですが。

知事: すでに報道されている内容ですけれども、きのうは、そういう聞き取りを私からでき、それを記者の皆さんも聞いてくださったので、それが報道されています。ですから容疑者が最後、どういう勤務態度だったのかということです。突然思想が変わったという感じがしたと、突然障害者に対する差別的な人権侵害的なことを平気で言うようになったと。それが、入所者に特別、暴力を振るうようなことはなかったけれども、あまりにも変貌がすごいので、これでは継続できないだろうということで、辞めていただいたと。
 ただし、辞めるときに混乱があったわけではなくて最終的には自分で辞めたということでありました。
 それから、きのうはどういう状況ですかというお話を聞いたのですけれども、要するに被害に遭われた方のご遺体は、まだそのまま部屋に残っており、検視が現場で続いているという状況でありました。残された皆さんは、被害のあった施設の所の人たちは、体育館に集まってもらってケアを続けており、そうではない施設の所の人たちは、そのままケアを続けていて、継続していかなければならないため、スタッフも本当に必死の思いでやっていますと、そういう話でありました。
 会長さんのご家族は、幸いに被害に遭わなかったようでありますけれども、本当にとんでもないことが起きて、立ち直れないくらいショックを受けて、涙を浮かべておられました。

記者: 知事から何かお話をされたことはありますか。

知事: 記者の皆さんもいらっしゃったし、理事長さんとか関係者の声というのを、記者の皆さんも聞いていなかったと思ったので、私が聞き出すようなかたちで次々と質問をしたという状況でした。
 それで、こういう状況になっても、施設の中には介護を必要とする人たちが皆さんいらっしゃるわけですから中断するわけにはいかないと、それをこういう状況の中でも続けていかなければならないということに対して、しっかりよろしくお願いしたいということで激励を申し上げたところでありました。
 それとともに会長さんには、県はこの指定管理という形ではありますけれども、指導監督する立場にありますので、こういうことを起こして大変申し訳なかったと、再発防止には全力を挙げていきたいと、そのようにお話をしたところでした。

記者: もう一つ私の方から、本日、各施設あてに県から、安全管理、安全の配慮の徹底というような通知を出されているようなんですけど、もう一つ今回の事案で、被疑者が措置入院を終えた後、今回、所管が相模原市ということなんですけれども、相模原市の方がなかなかフォローをしきれなかった、というようなことが課題として指摘されているんですが、県の所管部分、それから政令市に対してもですね、このあたり、何か注意喚起等ですね、何らかのアクションをお考えになっていることはあるのでしょうか。

知事: 今回のことで、浮かび上がってきているのは、冒頭申し上げましたけれども、情報共有の問題だと思うのです。措置入院されたということがあって、そこからまた、それが解除されて退院されたといったことがありまして、その情報がしっかりと共有できていなかったといったことです。ここのところは検証する必要があるのではないかと思いました。
 相模原市と県、相模原市は政令市でありますから、今の状況では別に相模原市から県に伝えなければならないというルールは特にないですけれども、しかし、こういうことが起きたということを踏まえながら、情報共有のあり方をしっかりと検証して、改善していくべきところは改善していかなければいけないと思っています。
 こういうことは結果から見ると、この措置解除というのは、その時点での解除は早すぎたのではないのかとか、いろいろ問題があったのではないのかと、つい思ってしまいますけれども、しかし、こういうのは人権問題に係る問題でもありますから、極めて慎重に取り組んでいかなくてはいけない問題でありまして、こういったあたり専門家も含めながら、しっかりとあるべき姿を模索していきたいと考えています。

記者: 専門家の意見を聞きながらというのは、何らかの、そういった検討機関みたいなものを、設けるのでしょうか。

知事: 現時点では、そこまでまだ考えてはいません。もう少し全体像が見えてきた中で、そういう必要があるならば、そういうことも考えていきたいと思います。

記者: 冒頭にもおっしゃっていた点ではあるんですけれども、施設側としては、今回、防犯カメラを4月に設置したりだとか、あとは、夏祭り、6月に来そうになったところを来ないでと言って止めたりだとか、植松容疑者が危険だなという情報を、おそらく施設は察知して、警戒をしていたかと思うんですけれども、先程の担当課の会見では、県は一切、植松容疑者が危険だというのは、あまり認識出来てなかったというご説明を頂いたんですけれども、こういう危険につながる情報が把握できていなかったということ、連絡体制が低いと言ってしまえばそうなんですけれども、そのことについて、改めて知事としてはどういうお考えで、今後、対応としては、どんなふうなことを考えていらっしゃいますか。

知事: 施設管理をしている方は、その危険性というものを現場で感じてらしたと。その情報がしっかりと県に伝わっていなかったということがあります。ですから、これは情報共有のあり方を総合的に見直していかなければいけないと思います。
 やはり、現場で働いてらっしゃる方は、まさかそのようなことは起きないだろうという思いがどこかにあったと思います。そのような中で、情報がきちんとみんなで共有されていなかったということが、結果的にこのような大惨事につながってしまったということでありますので、情報共有のあり方というのを、今の段階の一つの大きな課題として、しっかりと検証し改善していきたいと、そのように考えています。

記者: 情報共有のあり方、具体的なイメージはこれからということになるでしょうけども、現時点で知事がお持ちのあり方というのはどのような方向性になるでしょうか。

知事: これは、なかなかルール化するというと、どの情報をどう共有するかでなかなか難しいと思いますけれども、やはり、今回の出来事のようなことが起きるのだということ、想像もできないようなことが起きるのだということ、こういったことを踏まえた上で、少しでもそのような兆候を察知したならば、その情報はしっかりとみんなで共有できるような風通しの良さというか、そういうものをつくっていかなければいけないと思っています。

記者: 共有する範囲ですが、どういった機関、例えば県、政令市、警察、医療機関等いろいろあると思うんですけど、具体的にはどういう関係者の範囲を考えていらっしゃいますか。

知事: まず、今回関わっていただいた皆さんというのは一つありますよね。ですから、その事業所、機関、警察。警察は警視庁から神奈川県警に話がきたと、しかしそれが県には来ていなかったということがありますので、一つ一つ関わる組織が上手く情報共有できるような方法を考えていかなければいけないなと思います。

記者: あしたから全国知事会議に行かれると思うんですけれども、この中では何か事件のことを、例えば今、共有というお話がありましたが、ご報告なり、この種の施設は国の指針に基づいてつくられているものですから、そのあたりの問題提起といいますか、そのあたりは何かお考えはありますか。

知事: 今現在としては、あしたの全国知事会議でこのことについて、特別に具体的な提案をすることはまだ考えていません。もう少し時間が経って、いろいろなことがしっかり見えてきてから検証した上で、改善していくものは改善し、全国レベルで取り組んだ方が良い話については、そういうことをしっかり伝えていきたいと思っています。

記者: 現時点で、県側に情報共有の点で問題があったと知事は考えられているかということが一点と、今後の検証、再発防止のなかで第三者委員会的なものをつくったりされるおつもりがあるかをお聞きしたい。

知事: 情報共有をしていかなくてはならないなということは、すごく痛感しているのですけれども、県にどこか落ち度があったかというと、今の段階では、私は明確な落ち度があったとは見ていません。
 もっとこれから情報が明らかになってきて、さまざまな検証が行われる過程で、そういうことが見えてくるかもしれませんけれども、今この現時点では、特別な県の落ち度というのは、感じていません。その中で、第三者委員会等々を設けてどうするかというのも、まだ時期尚早だと思います。

記者: あえてお伺いしますけれども、仮に情報共有、県の方にもですね、早めに情報が入っていれば、結果はひょっとしたら違ったとかですね、情報共有ができていればひょっとしたらどうだったのかと、いうことについてはどういうふうにお感じになられますか。

知事: これはなかなか難しいですね。仮定の話になりますから。今思えば、その情報共有できていたならば、なんとか防げたのではないのかという気持ちはありますけれども、では本当にそれで防げたのかというと、あれだけの、ある種確信を持った犯罪行為でありますから、それを絶対防げたと言い切る自信はないです。
 しかし、今後の再発防止という中では、そういう情報共有をしっかりすることによって少しでも減らせる可能性に向けて、体制を整えていきたいという思いです。

記者: 今回指定管理の施設ということで、指定管理という制度について基本的に施設の運営については法人に全面的に委ねられる中で、情報共有の難しさですとか、限界、あるいは課題、今後こうしていくべきだという、制度についてはどういうふうに思われますか。

知事: 今回、情報共有と私が先程から言っている問題が、指定管理者制度に基づくことがどれだけ影響していたのかということは、これから検証していかないと、なかなか見えてこない部分だと思います。
 実際問題として、指定管理者をやってくださっている事業者というのは、それなりのことを提案していただいて、しっかり取り組んでいただいているわけでありまして、県が直接運営するよりも、そういう事業者の皆さんにやっていただいたほうが、より効率的に、そしてサービスも向上してやってくださるという、非常にプラスの面を我々は実感していますから、こういう制度でお願いをしているわけでありまして、そのことと今回の事件とがどう関係しているのかといったことについては、これから検証していく必要があると思います。

(以上)

神奈川県

このページの所管所属は 知事室 です。