定例記者会見(2016年5月23日)結果概要

掲載日:2016年5月25日

発表事項

(平成28年度5月補正予算案等について)

 それでは、来る5月27日に議会へ提案いたします、「平成28年度5月補正予算案等の概要」についてご説明いたします。お手元の資料をご覧ください。
 ローマ数字1の「補正予算案について」ですが、今回の5月補正予算案では、当初予算編成後の状況の変化により、早急に補正を要するものについて、計上しています。
 補正予算案の規模は、上段の表に記載のとおり、「一般会計」で、1億5,800万円です。
 また、一般会計の財源内訳ですが、中段の表に記載のとおり、すべて基金からの「繰入金」です。
 次に「2 補正予算案の主な内容」について、ご説明申し上げます。
 一つ目のマル、「医療介護人材の確保・育成」ですが、地域における医療介護サービスの提供体制を強化するため、地域医療介護総合確保基金を活用し、質の高い介護サービスを行っている事業所等に対する、神奈川独自の奨励金制度の創設や、新たな介護人材の参入促進等に関する事業を実施するものです。
 次に、「体育センター等特定事業費」ですが、老朽化が著しい体育センターについて、すべての県民のスポーツ振興拠点として再整備するに当たり、建替えから維持管理までをPFI事業として実施するため、債務負担行為を設定するものです。
 なお、ただいま説明した事業につきましては、2ページ以降に詳しい内容を掲載しています。そのうち、今回、頑張った介護が報われる社会の実現に向けて、神奈川独自の奨励金制度を創設することとしましたので、その事業について、補足的にご説明いたします。
 3ページをお開きください。「優良介護サービス事業所等奨励金」についてです。
 これは、昨年10月に藤沢で開催しました「対話の広場」において発表された、非常に意欲あふれる事業所の方の取組みがきっかけとなったものです。その方の事業所では、いわゆるお世話ではなくて、自立支援をしっかりやることによって、お年寄りの介護レベルが改善されるという発表でした。
 一方、事業所におきましては、頑張って利用者を元気にし、要介護度を下げますと、介護収入が減り、頑張っている事業所が報われない仕組みとなっています。
 より質の高い介護サービスが提供されるよう、このような介護サービス事業所等の取組みを応援できないかと考えまして、今回実現したものです。
 「1 目的」ですが、要介護度の維持・改善等に対する取組みや、従事者の資質向上・定着を促進するため、要介護度の維持・改善、人材育成、処遇改善に成果をあげた介護サービス事業所等にインセンティブとなる奨励金を交付する、神奈川独自の制度を創設いたします。
 「2 補正予算額」は2,240万円で、 「3 事業内容」ですが、要介護度の維持・改善、人材育成、処遇改善に成果をあげた介護サービス事業所等に対して、更なる取組みのインセンティブとなる奨励金、100万円を交付するものです。少し飛びまして、5ページをお開きください。
 続いて、「条例案等の概要」について、ご説明申し上げます。
 ローマ数字の2、「条例案等について」です。「1 提出予定議案の概要」ですが、表に記載のとおり、条例の改正9件、工事請負契約の締結1件、工事請負契約の変更3件など合計20件の提案を予定しております。
 主な条例案について、ご説明いたします。
 「2 主な条例案」の一つ目の丸、「神奈川県立の看護専門学校の改編等に関するもの2条例」ですが、平成29年4月からの平塚看護専門学校の4年制改編に向け、学校名を「神奈川県立平塚看護大学校」に変更するとともに、修業年限及び授業料を改定するため、所要の改正をいたします。
 また、併せて、よこはま看護専門学校及び衛生看護専門学校の授業料を改定するため、所要の改正をします。
 これらは、本県の看護教育において、実践能力をより向上させるため、教育環境の充実等を図ることに伴い、行うものであります。
 その他の提出予定議案については、資料に記載のとおりです。
 なお、8ページに詳細な内容を資料として添付しておりますので、そちらも後ほどご覧ください。

(平成28年度における防災訓練の実施について)

 次に、平成28年度における防災訓練の実施についてです。
 東日本大震災をはじめ、昨年の関東・東北豪雨、そして先月には熊本地震など、近年、大規模な自然災害が発生しています。
 また、2019年には、ラグビーワールドカップ、2020年には、オリンピック・パラリンピックなどの国際的ビッグイベントが予定されており、テロ災害への備えも必要であります。
 平成28年度は、こうした様々な災害を想定し、国や市町村、防災関係機関と連携して、各種の防災訓練を実施いたします。
 主な訓練としては、3つあります。
 1点目は、7月15日に逗子市との共催で、逗子海岸で津波対策訓練を実施いたします。予想される津波の高さを現地に表示し、実際に目で見て確認できるような避難訓練のほか、4月から運用を開始しました「かながわ消防」の応援体制を検証するため、横浜市・川崎市の消防局や内陸部の県央地域の各消防本部からの応援部隊も参加して、救出・救助などを行います。
 2点目は、毎年実施しています「ビッグレスキューかながわ」ですが、今年で5回目になります。今年は、9月11日に横須賀市との共催で、陸上自衛隊武山駐屯地を主な訓練会場として、実施いたします。先月の熊本地震を教訓に、三浦断層群地震を想定しまして、海と空からの医療部隊や広域応援部隊の派遣、患者輸送、さらには支援物資の輸送訓練等を行います。
 また、訓練の冒頭では、箱根大涌谷でも活躍した災害対応ロボットのドローンを上空に飛ばし、ドローンからの空撮映像を地上のモニターに写し出し、情報収集に役立てるなど、より実践的な訓練となるよう計画しています。
 さらに、今回、初めて米国赤十字社が参加しまして、DMAT、日本赤十字社及び在日米軍と連携した医療救護訓練も実施いたします。
 3点目は、来年2月に、国及び横浜市との共催で神奈川県国民保護共同訓練を実施いたします。昨年度は相模原市内で開催しましたが、今回は、生物テロなどを想定した実践的訓練を横浜市内で実施する予定です。県では、このような様々な訓練を通じて、関係機関の連携体制の強化や県民の危機管理意識の高揚を図っていきたいと思います。
 各種訓練の詳細は、資料をご確認ください。

知事出席主要行事

(川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム及び高津県税事務所の視察について)

 知事出席主要行事につきましては、事前に送付した資料のとおりですが、そのうち、1件コメントしておきます。
 「黒岩祐治が行く!神奈川の現場」として、5月26日、木曜日の10時から、川崎市の藤子・F・不二雄ミュージアムと高津県税事務所を訪問します。
 県下で有数の人気観光スポットである、藤子・F・不二雄ミュージアムでは、観光客誘致のための取組などについて、関係者と意見交換を行います。
 また、県税の賦課徴収業務の最前線である県税事務所のうち、高津県税事務所を視察し、若手職員と意見交換を行います。

質疑

(平成28年度5月補正予算案 医療介護人材の確保・育成について)

記者: 補正予算のですね、介護に関連して質問があるんですけれども、神奈川独自のインセンティブになる奨励金を交付する神奈川独自の制度を創設ということなんですが、これは全国的に見ても珍しい制度なんでしょうかということと、こういう制度を創るに至った、かねてから超高齢社会がトップスピードで進んでいるとおっしゃってますけれども、知事の思いというか県の介護業界を巡ることに関する危機感というか、その辺りの思いと合わせて教えてください。

知事: 先ほど、少し申し上げましたが、藤沢市のある事業者ですが、対話の広場にも出ていただいたのですけれども、その発表を聞いていて非常に力強い内容で具体的なパワーがあるお話でありました。認知症というのは良くならないのだと、せめて進行を抑えるぐらいだということが普通に言われているようですけれども、そこの事業所では、そうではなくて認知症のレベルが改善するのだと。どうやって改善するのかと言うと、お世話ではなくて、いわゆる自立支援。その方の持っている能力を最大限活用するということ。逆にいろいろな仕事をしてもらうことによって、逆に介護度が改善されてくるということがありました。
 しかし、頑張れば頑張るほど、介護報酬というのは減ってくるという話しを聞いて、これはいけないことだと思い、ではどうすればいいか。本来は、介護保険制度そのものを抜本的に見直すということが必要なのだと思います。ただ、それをやるためには相当時間も掛かるでしょうし、県単独で負えることでもない。そういう中で、まず何かできないかということをいろいろ検討しておりました。
 そのような時に、川崎市が似たようなことを、実は始めているのです。川崎市では平成29年度予算において、川崎市が立ち上げたプロジェクトに参加する200事業所を対象に要介護度、日常生活動作の改善に成果を上げた事業所に対して、要介護度が改善した利用者一人当たり年額5万円程度の報奨金を交付する予定と聞いております。
 本県は県内の介護サービス事業所等を対象に利用者の要介護度の維持・改善、これだけに留まらず、事業所等の人材育成、処遇の改善等の成果についても、総合的に評価した上で、頑張った事業所は報われ、さらなる介護サービスの質の向上につながるインセンティブになる一事業所100万円、こういった奨励金を最大20事業所に交付するという本県独自の制度としたところであります。一事業所100万円というのはそれなりの規模だと思いますので、まずは、こういうことをやってみて、そして本当にやる気が出てきて、頑張ろうという、現場にそういう気持ち、風が吹いてくるということを期待したいと思っているところです。

記者: 川崎市ではあるということなんですが、他の都道府県とかをみてもそれほど、広まっている制度ではなくて、まだまだ珍しい取組みだと言ってもよろしいでしょうか。

地域福祉課長: 他県でも、類似のものをやっている所もありまして、例えば、福井県といった所などでも、こういった頑張った所を評価しようという動きがあると聞いてございます。

知事: これは要介護度の改善・維持だけだと、反対する人たちがいるわけです。なぜかと言えば、要するに要介護度の改善の見込めない患者は受け入れないという事が起きるのではないかということで、それに対していかがなものかと、そういう見方もある。
 しかし、とりあえずやってみましょうということで、我々もモデル的にやってみて、様子を見たいなと思っています。ですから、介護の改善だけではなくて、人材育成とかそれ以外のところも考慮に入れるのは、そういった思いを込めてです。

記者: 少し細かくなってしまうのですけれども、これはスケジュール的にはいつの時点で表彰するというか、その20事業所は選ばれるのでしょうか。

地域福祉課長: 今年の7月から応募をいたしまして、11月の介護フェアの場面でご紹介をしていき、奨励金を交付するという形にしたいと考えております。

記者: 今のその報奨金の話、奨励金ですか、の話ですけれども、今川崎の話も出ましたが、今言ったように県の方は、人材育成、処遇改善というところなんですけれども、要介護の維持・改善というのは非常に分かりやすいと思うんですが、人材育成、処遇改善というのは、具体的に言うとどういったことを対象にしているのでしょうか。

知事: これは、選ばれるか選ばれないかで随分違うわけですから、この過程は非常に透明性を持ってやらなければならないと思っているし、そのために、第三者の機関で、専門家に来ていただいて、そしてその評価をしっかりしていただくということになると思います。ですから、そういう専門家の目から見ての人材育成、処遇改善の成果といったもの、それを客観的に判断していただいて、そしてその評価をいただきたいと考えています。

記者: いわゆる評価項目というのは、これから詳細を詰める感じなのでしょうか。

知事: 具体な内容については、これからです。

記者: それと、知事が分かればですが、要介護が改善すると、いわゆる介護報酬、事業者への報酬が減ってしまうというジレンマがあるので、なかなかこういうものが進まないというところなんですけど、これ介護度が一つ下がることで、一人当たりの介護報酬が施設に入らなくなるというのは、どのくらいの額が入らなくなってしまうのですか。20数万円だったような気がしますが。

地域福祉課長: 要介護度の改善ということで、改善した場合も、要介護度が例えば3から2に下がるのか、2から1に下がるのかということで、額の差がございます。
 例えば、一番大きいところですと、年額ベースで一人あたり80万円程度差が出てくるところでございます。一番差が低いのは、要介護度が4から3に改善した場合で、この場合でも、だいたい30万円を下回る額ですが、そのくらい差が出てくるというところでございます。

記者: そういった中で、川崎市の場合は5万円、一人5万円という、どこまでインセンティブが働くか、無いよりはましだということだと思うのですけれども、100万円というのは、さっき知事言いましたが、相当なそれなりの額だという話ですけれども、その額の設定というのは、どういったところから導き出したのでしょうか。

知事: やはりメッセージ性、そういうことを重視しました。今、この試算の基準を聞いていただいても、100万円でも十分ではないかもしれないです。しかし、今まで何もなかったわけで、逆に損するだけみたいな、そういう仕組みになっていたという中で、一事業者100万円というのは、それなりのメッセージ性を持った数字ではないかと思いました。

記者: 対象の施設なんですけれども、事業所あるいは施設なんですが、県内全ての事業所ということでよろしいんですか。

地域福祉課長: 県や市町村が指定しております介護事業所等を対象に考えております。

記者: これはそうすると、例えば川崎の例を何度も挙げるのも申し訳ないんですけれども、そうしたところとの二重取りというか、重なって取ることもできるんですか。川崎の場合は、川崎市内の事業所ということでしょうけれども。

地域福祉課長: 素晴らしい取組みであれば、そういうケースもあるかと思います。

記者: この制度の位置付けと言いますか、補正で20事業所という、これが大きいのか小さいのかというのは判断しにくいところはあるんですが、こういった数字で出ています。これは単年度でのモデルというような話もありましたけれども、単年度のあくまでお試しなのか、長いスパンで定着させていくような考えなのか、そのあたりのお考えを。

知事: 頑張った介護が報われる社会へ、というサブタイトルを付けていますけれども、それを目指す一つのスタートだと思っています。これを1回やってみて次はやらないということではなくて、基本的にやっていこうと思っています。ただ、実際やってみた中での皆さんのご意見を伺いながら、改善していきたいなと考えています。これはこれとしながら、介護保険制度そのものを見直していくという大きな動きというのも、つなげて行きたいなという気持ちはあります。

記者: 今の話とも関連してなんですけれども、正に介護、介護離職の問題もこれから深刻になるということですと、政府としてもどんどん取り組んでいくと言ってますけれども、知事ご自身の言葉で、なぜ介護人材を育成することが大切なのか、こういう取組みをする必要があるのか、そこらへんのお考えを知事の言葉でご説明いただけますか。

知事: 私はこういった分野は前から、ジャーナリスト時代から取り組んできたテーマですけれども、例えば看護の現場なんかも、昔はそういう側面がありまして、そういった中で、現場の声をいろいろ聞いてみると、ちゃんと認めてほしいというか、自分たちがやっていることをちゃんと評価してほしいという、そういった声が非常に多かったです。だから、給料を上げればという問題かというと、必ずしもそうではなくて、見ていてくれているんだという思いが、現場で頑張っている人たちに対しては非常に大きな励みになる、ということを聞いておりました。今、この介護という問題も、超高齢社会の中で、非常に重要度が増しているという中で、とかく介護現場の厳しさといったものが強くアピールされがちです。
 しかし、現場の人達と話をしていても、やはりそうだなと思うのは、介護の現場で頑張っている喜びというのがあるのです。ご老人がどんどん良くなっていくとか、笑顔が出てくるとか、一つ一つの事で、改善というのが目に見えてきたときに、非常に大きな喜びがあるのだと、そういう中で頑張っている自分たちのことを、もっと見てほしいとか評価してほしいと、そういう声をずっと聞いておりましたので、こういう具体の奨励金という形で皆さんの気持ちに少し応えることができればなと考えた次第です。

記者: これは、先ほどいったように7月から応募募集をといったことだったんですけれど、となると、成果なりというのは、前年度のものというか、これまでのということなんですか。今年度を通じて。

知事: そういうことです。これはまた来年度やるときには、新たに見ていきますけれども、同じ事業所が2年連続、3年連続で選ばれるということは十分あり得るということです。1回で終わりというわけではなくて。

(共産党県議団の議会運営に対して猛省を求める決議について)

記者: 別件で、幹事社から1問。先日、県議会で、共産党県議団の議会運営に対して猛省を求める決議というのがなされまして、その間、議会運営委員会を中心に議論があって、知事もご存知だと思うんですけれども、代表質問を制限すべきという流れもあったということなんですが、そのへんの議論の過程とかですね、今回出された決議、さらに、これまでの共産党の不手際とされているような対応とかですね、言動とかについて、一連の流れについて、知事の受け止めを伺いたいなと思うんですけれども。

知事: 議会の正常な運営をめぐって、議会が真剣になって議論した結果だと受け止めています。共産党はゼロ議席だったのが、今回は6議席になったわけです。そのことによって、共産党の皆さんの中にも、いろいろな戸惑いもあったかもしれないし、慣れないこともあったかもしれない。そういった問題が、県議会全体の中で非常に重く受け止められたということのようですね。
 ですから、それにどう対応するのかということは、まさに議会がお決めになることであって、私がそのやり方についてどうこう言う筋合いのものではないと受け止めております。
 猛省を促す決議というものが、決まったわけでありますから、そういったことを踏まえながら、議会がさらに正常化していくことを期待していきたいと思います。

記者: 知事は、代表質問制限という議論が出たことについて、何かご感想があれば伺いたいなと思いますけれども。

知事: それも議会が、お決めになったことでありますから、議会の判断を尊重したいと受け止めております。

(平成28年度5月補正予算案 体育センターの再整備について)

記者: ちょっと戻ってしまって申し訳ないんですけれども、藤沢の体育センターの件に関しまして、改めて、五輪に向けて、どういうふうに活用されていきたいのかというのと、五輪までの供用を目指して、予算がさらに膨らむ可能性というのがあるかに関して、お聞かせ願いますでしょうか。

知事: この体育センターの再整備にあたりましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が作成しています事前キャンプ候補地ガイドの応募要項を参考にして検討してきています。
 例えば、ウェイトリフティング、フェンシングなどの屋内競技を中心として多くの競技の受入れが可能だと考えています。
 また、新たに整備する第2アリーナは、パラスポーツの推進拠点としまして、車椅子種目の実施にも配慮する形で整備します。つまり、普通の体育館で、車椅子バスケといったものをやるときに、体育館側からすると待ってくれということもあるようですが、そういったことがないような配慮する形でありますし、また全室バリアフリーの宿泊棟といったものを整備しますので、特にパラリンピック競技の事前キャンプの場として、魅力の高い施設になると考えています。
 現時点では体育センターを使いたいという具体的な申し込みはありませんけれども、今後、新しい体育センターのデザインや詳細なレイアウトがPFI事業者の選定手続きの中で明らかになってきますので、そうした時点で積極的なPRに努めていきたいと考えています。
 このことについて予算が膨らむかどうかということについての話は、今は出ていません。

(子どもの貧困対策について)

記者: 子どもの貧困対策について伺いたいんですけれども、昨日かながわ子どもの貧困対策会議がありまして、県内の中学・高校・大学生の意見を取り入れながら対策に取り組むということですけれども、改めて知事として子どもの貧困問題にどのように取り組んでいかなければいけないと思っていらっしゃるか、あと彼らの意見とか主張を含めて、今後どういうふうにすることが息の長い支援につながるかということをお聞かせ願えますか。

知事: 子どもの貧困問題というのは、昔は聞かなかったです。最近の言葉でありますけれども、逆にそれだけ深刻な問題だと私自身も受け止めています。特に我々神奈川県として、人生100歳時代という言い方をしている中で、この子どもの貧困といった問題、これが置き去りにされていると、子どものときからずっと貧困で、そこから立ち上がれない。しかも、その貧困が次の世代に連鎖していくということになるのならば、さらに根の深い問題になってくる。だからと言って、ここをこう改善すればこの問題が解決するという簡単な問題ではないと思います。ですから、県としては真摯にこの問題に向き合いたいと思っている中で、去年のハイスクール議会で現役の高校生の皆さんが様々な部会に分かれて検討してくださって、その一つが子どもの貧困対策という問題でした。
 そのハイスクール議会の本会議でのやりとり、私もその質問に対して非常に感銘を受けましたけれども、発表された方自身が「私の家は貧困なのです。」と言うところから入られて、そういった生の話を聞いてほしいと、県の政策を決めていく中でも生の声を聞いてほしいという話を受けて、では聞く場をつくりましょうということで現役の高校生・大学生などの皆さんに集まっていただいた中での県の検討会が始まったということであります。
 そういう中で、現場の声を吸い上げながら、どうすればよいのか、何が最もかゆいところに手が届く策になるのかということを、当事者の皆さんと共に具体に検討していきたいと考えているところです。

記者: 国の方も含めて、予算が厳しい部分かなと思うのですが、特に一人ひとりの本当に経済的な状況を改善しようとした場合に、なかなか一人ひとりに給付というと規模も大きくなってしまうし、そのへんをどう工夫して予算を付けていく、または、どんなふうにこの問題を広く知らしめていくには、何が効果があると思いますか。

知事: これはその議論の過程を通じて、いろいろなものが浮かび上がってくると思いますけれども、とにかく、県が財政的に支援すればそれで済むのかというと、こういった問題でもないと思います。様々な主体がこういった問題について、問題意識を持って関わっていき、そういう雰囲気作り、枠組み作り、こういったことがまず必要なのではないでしょうか。そのために県が出来ることはあるのではないかと考えています。

(米軍属男性による沖縄県うるま市女性の死体遺棄事件について)

記者: 先日起きた沖縄での女性の死体遺棄事件についてなんですけれども、知事の受け止めをお伺いできればと思うのですが。

知事: あのようなことが起きるというのは、大変なショックです。何の罪もない方が、突然、米軍関係者の凶悪な事件によって命を絶たれてしまうということ、それは我々としても、許せない気持ちでいっぱいだし、特に沖縄県民の皆さんにとっては我慢のならないという思いが頂点に達する大変重大な出来事だと思っております。
 神奈川県というのは基地を抱える都道県、渉外知事会の会長県でもありますから、これはもう他人事とは思えない課題であります。こういったことが起きるたびに、これまでも再発防止ということを我々も求めてきたわけでありますけれども、さらに徹底かつ具体的な対策を求めていきたいと思います。この渉外知事会としても、沖縄県を始め、構成都道県とも協議しまして、緊急に要請を行う方向で調整を進めております。

記者: 具体的にその要請はいつ頃行うというのは、まだ。

知事: 今の段階で具体的な日程はまだ出ていませんが、出来るだけ早くしたいと思っております。

記者: その関連で。要請先としてですね、さっき日本政府と米政府もしくは米軍となると思うのですが、特に今回の事件を踏まえてですね、渉外知事会としては要請活動をこれまでもずっとやってきているんですけれども、今回の事件で特に会長ご自身として盛り込みたいと考えていることはありますでしょうか。

知事: これまでも日米地位協定の改正を含めて、ずっと訴えてきたわけです。その中の訴えは、基本的に今回急に変わるということではない、これまでの延長線上の中にあると考えております。

記者: 申し入れの内容としてですね、今の段階では死体遺棄事件ということではありますけれども、その先の罪状というのも視野になっている段階でですね、特に人の命が奪われているということを踏まえて、特に知事として、文言をどのような表現をとっていきたいと思っていますでしょうか。

知事: 「いのち」という言葉を一番重点に置いている神奈川県でもありますから、それが踏みにじられるということは許し難いことです。これは神奈川県の場合には、在日米陸軍・海軍司令官との三者のラウンドテーブルを持っていて、率直に語り合える環境をずっと作ってきております。
 その中で彼らがいつも言うのは、我々も神奈川県の住民なのだという中で、やはりしっかりと住民としての責務を果たしていきたいということを仰っているということもあるのです。その辺りをしっかりと改めて確認をしておきたいという思いを伝えたいと思っております。

(東京都知事の政治資金問題について)

記者: 先日も公用車の件でご意見伺いしましたけれども、舛添都知事のお話が、その後も色々な不適切なお金の使い方等々で、出てきていますけれども、その後の展開も踏まえて、県知事どのように解してらっしゃいますか。

知事: 連日大変ですね。次から次に出てくるけれども、ただ、私の見方からすると、当初は、高額海外出張費の問題であるとか、公用車の使い方の問題ということがクローズアップされました。この問題については、同じ知事として、我々も同じような課題があるのではないかと、皆さんから見られましたので、我々の見方、それに対する関わり方を全部ご説明した、ということがありました。
 その後に起きている様々な出来事、もう数え上げれば切りがないくらい、いろいろものが出ていますけれども、これは少なくとも今の県知事である私にとっては別の話だと考えています。
 政党交付金、要するに国会議員時代の話ではないでしょうか。政治に係るお金の使い方の中で、自分がその資金として集めてそれを使っているというだけではなくて、税金がそこに入っている、政党交付金という形で税金が入っている訳です。ですから、その使い道というのは、ただ単なる政治資金の使い方という以上に、やはり厳しさが求められているのかなと思います。その時に、領収書の扱い方だとか、いろいろなものが出てきていますが、そこのところを言われてしまえば、それはやはり、舛添知事がしっかりとご自分の口から説明責任を果たすということ以外にないと思います。
 ただ、あえて言うならば、私の見方が少し違っているのは、今は、政党交付金の入った政治資金の使い方というのがクローズアップされ、舛添さん個人に全部いってますが、他の国会議員は大丈夫なのか、そういう使い方を全くしてないのですかというのが、逆に、私の中で気になっているところです。今は、舛添さん個人に対する総攻撃というモードになっていますけれども、そこで浮かび上がっている問題というのは、他の国会議員は大丈夫なのか。というのは、特に政党が新しく生まれたり、消えたり、またくっついたり、移動しています。その都度、そういった問題というのはどうなっているのかというようなことは、いまひとつよく分かっていないのではないのかと思います。そういう疑問点を私自身は持っていて、何かすべて舛添さんに持っていけば留飲を下げるということでは、少し違う問題が見え隠れしているのかなと、そういう気がしています。

記者: 知事自身はご自身の政治資金だとかそういったものの使い方に関しては、非常に厳しいですね、この間公用車の話と事務所車の話もされていましたけども、お金の使い方、例えば事務所への指示だとかご自身で何か考えていることはあるんですか。

知事: これは私自身がキャスターとして長年やっている中で、政治と金の問題というのは、いかに大きなものになってしまうかという生々しい現実をずっと見てきました。かつての政治改革といわれた議論、あの時は自民党が下野して、新しい細川連立政権誕生といった原点になったのも、政治と金という問題でありました。
 当時から比べれば政治と金の問題はクリーンになったと思いますけれども、しかしこういった問題は少しでも噴き出すと大変な事態になってしまう。政治家の夢があって何かを実現したいということがあっても、政治資金の問題で一旦火が付くと、その夢を絶たれてしまうということだって十分あり得る。
 ですから、それくらい大きな問題になるということを良く分かった上で自分は知事になっていますから、それは大変厳正、厳密にやっているところです。
 先程申し上げたように、私の政治資金については税金は入っていないわけです。皆さんからのご支援によってのお金ですから、と言いながらも、その使い道というのは、誰から言われてもおかしなことはないような使い方をしようということは、事務所の中でも非常に厳しくやっているところです。私自身が厳しくやっていこうと思っている以上に、事務所の責任者はもっと厳しいですから、そこのところはやってきてよかったなと思っているところです。

記者: 確認させてください。今ほかの国会議員さんは大丈夫なのかというご発言ありましたけども、その知事ご自身はそういった状況を何らかの形で把握されてらっしゃるのかを確認させていただきたいんですけども。

知事: 申し訳ないですけど把握はしていないです。政党が解散して新しい政党になったときというのは、どうなっているのかという単純な疑問がありました。その中でいろいろと振り返ったときに、いろいろな形で話題になったこともあったかと思うのですけど、それについて自分が当時の取材も特別にしたわけでもないし、特別な情報を握っているということでもないので、そのへんはどうなっているのかなと思っているぐらいです。

記者: 特にその使い道として、これは舛添さんだけでなくて、ほかの国会議員さんでもやっていることじゃないのかというふうに思われるような、そこらへんというのはお感じになられている部分はありますでしょうか。例えばご家族での宿泊だとかですね。

知事: 具体の事実は把握していません。ただ本当に、かつて彼がそういう処理をしていても、今まで浮き彫りにならなかったわけです。そうしたら、そういうことは、永田町にはあるのかなと普通思いませんか。今回こういったことがなかったら出てこなかったでしょう。それを思っているだけです。具体の何かを持っているというわけではありません。

(以上)

神奈川県

このページの所管所属は 知事室 です。